小説【うたたね師範代☆】 | るあ☆の和みある稔り  ~なごみあるみのり~

小説【うたたね師範代☆】

【はじめに】

お笑い芸人、18KIN・今泉さんの特技『津軽三味線』からインスピレーションを得て、作った物語です。

あまりにもイタイ内容なので、読みたい方だけ読んでください(笑)



























【設定】
◆自宅ではなく、アパートの一室を借りて教室を開いている。(自宅が尋常じゃなく散らかってるから)

◆教室があるのは、3階建ての3階。間取りは2LDK。

◆生徒数は10人弱。こじんまりしてるが、生徒みんな仲が良い。

◆主人公・るあは入ったばかりの生徒(あくまで妄想ですから…)




【うたたね師範代☆】

階段を1段抜かしで駆け上がる。

3階まで昇って、右に折れる。

廊下をまっすぐ。突き当たった、すぐ左。

303号室。壁に表札は無い。

『小泉みのり 三味線教室』覗き穴の下にプレートが貼りついている。

ドアノブに手を掛けた。軽い手ごたえ。

鍵が掛かっていない。息を整える。

「こんにちわ!」

勢い良くドアを開けた。

奥の部屋から、声がする。

靴を放り投げるように脱いで、フローリングの短い廊下を抜ける。

リビングルームの右。稽古場まで一直線。


ドアを開けると、中には小泉先生の一番弟子・真衣さん(ニックネームは『まぁさん』)の姿しかない。

この教室で唯一、先生のことを『みのりさん』と呼んでいる。

「あれ?先生は……??」

「タバコでも吸いに行ったんじゃない?」

バチで隣の部屋を差す。

るあ「そうですか……じゃあ、探してみます!」

稽古場を出る。隣の部屋とは繋がっておらず、部屋を出ないと中に入れない構造になっている。

以前は稽古場で吸っていたが、『タバコ臭い』と苦情が出たため、隣の部屋or外でタバコを吸うことになった。

隣の部屋から、物音したかな………?

そう思いながら、ドアを開ける。

三味線やお稽古道具を置く、物置部屋。隅っこにある、背の低い机に小さな灰皿。

そこが喫煙スペース。壁がタバコのヤニで変色している。

やっぱり、いないかぁ……

灰皿に吸い殻が溜まっていない。

ベランダを見るが、やはりいない。

玄関に向かう。

スニーカーのかかとを踏んで、外に出た。

どこまでタバコ吸いに行ってるんだか……

階段まで歩いていく。

3段ほど降りると………

「…………!?」

階段に腰掛けている、小泉先生。男性なのに『みのり』珍しい名前。

うなだれている横顔から覗くタバコ。

さっき階段を昇ったときからいたはずなのに、全然気付かなかった。

隣に腰掛ける。気付く様子がまったく無い。

淡いピンクのTシャツに、カーキ色の短パン。足にはビーチサンダル。どう見ても、三味線を弾きそうに見えない格好。

顔を近付ける。

「うわっ………寝てるよ………」

寝息まで立てている。足元にはタバコの灰。

「せんせぇ……タバコくわえて寝たら、危ないですよ……」

起こさないように、恐る恐る口からタバコを外し、階段でもみ消す。

「先生……!せんせぇ~!!」

肩を揺らすが、起きない。

「う~ん………」

先生の後頭部が肩にゴツン!そのまま寄り掛かってきた。

ずり落ちないように、頭を両手で支える。

汗ばんだオデコ。8月末の夕方。昼間の暑さがまだまだ残っている。

掛けていた眼鏡のレンズに日差しが反射して、鈍く光った。

左手をゆっくりと離し、ポケットを探る。

「あった!タオル」

オデコの汗をそっと拭う。くすぐったそうに、つぶっている目をもっと細めた。

幸せそうな寝顔………

「うふふ~ん……」

さっきよりも強く頭を押し付けてきた。

バランスを崩して、よろけた。階段に左手を突く。右手だけで、何とか先生を支えた。

その拍子にずれる眼鏡。

鼻………メガネ………

「プククククク…………」

堪え切れずに噴き出してしまった。

起こさないように眼鏡を動かし、ゆっくりと体を起こす。

キャミソールの裾を掴まれていることに気付いた。

「赤ちゃんみたい……」

指を近付けたら、握りそうな気さえした。

可愛い………

先生は10歳くらい年上なのに、自然に湧いてきた感情。

三味線を弾く姿は凜々しいのに、このギャップ………

「練習の成果を披露しようと思ったけど、まぁいいか!」

目を覚ますまで、ずっと肩を貸すことにした。

耳を澄ますと虫の声。秋の足音は近づいている。

目を覚ましたら、ちゃんと稽古つけてね!師範代(せんせい)☆





☆おしまい★