息子に診断結果を伝えた日のこと
がんの診断を受けた後、帰りの車の中でずっと考えていました。
どうやって高校1年生になったばかりの息子にこの辛い事実を伝えよう…と。
「ただいまー!」
私が家に帰ると、息子はベッドに寝転んでスマホでゲームに夢中。
いつもと変わらない息子の姿を見て、これから伝える内容の重さに胸が締め付けられました。
しかし、隠し続けるわけにはいきません。
息を整え、勇気を振り絞って息子の前に座りました。
「○○、ちょっと話があるの」
息子は私の真剣な顔を見て、何かが起きたことを察したようでした。
「実はね…」
言葉を探しながらも、気持ちを整理する間もなく涙がこぼれ始めました。
息子は驚いた顔で私を見つめました。
「ママね、健康診断で精密検査を受けた結果、がんだって言われたの。肺と肺の間にに大きな腫瘍が見つかったんだ」
息子の目は大きく見開かれて、言葉を失ったようでした。
私も何かを言おうとしましたが、次の言葉が出てきません。
息子の目にも涙が溢れ始めました。
「え、ママ死んじゃうの?」
その言葉に、私の心はさらに締め付けられました。
しかし、息子に真実を伝えるため、強い気持ちを持たなければなりませんでした。
余命3カ月…という期間は息子にとってもショックが大きいと思ったので、長くて半年だと言われたことを打ち明けました。
「ママはこれから治すための治療を受けて頑張ってみるよ。急だけど4日後に隣の県にある病院に入院して手術することが決まったの。迷惑かけるけどその間は○○が一人で家事をやらないといけないけど大丈夫?」
息子は涙を流しながらうなずきました。私たちはそのまま声をあげて泣きました。
その日の息子との会話は、細かい部分は覚えていませんが、息子と共に泣き、心を支え合ったことだけは忘れられません。
「一緒に頑張ろうね○○。ママ、絶対に諦めないから」
息子は涙ながらにうなずき、
「俺もママを支えるから。俺のことは気にしないで」
と言ってくれました。その言葉にどれほど救われたかわかりません。