ずっと晴れ日和が続いていたGWだったが、まるで今までこらえていたかのように久しぶりの大雨が降っていた。
「まるで台風みたいだね」とEmily。
「こんな日にライブに来てくれる人、いるかなぁ」とYasaka。
車のワイパーを激しく振りながら二人を乗せた車はCestaへと向かっていく。

「ひどい雨っすねぇ。 
 今日は朝からまだ二人しかお客さんが来てないっすよ」
とcestaの山守さんは言った。
確かに、オレなら今日は出かけないもんなぁ、とYasakaは納得した。

ところが、そんな二人の心配をあっさりと裏切って
二人の女の子が「ライブを見にきました」とcestaに入ってきた。
以前pop popのライブをcestaで見た男の子の彼女とその友達だった。
pop popの二人はもうこの時点でとても嬉しかった。
時計が午後3時半を迎える頃、ライブがスタートした。

ライブが終わる頃にはcestaのカフェ席は全てうまっていた。
訪れた人は皆最後までpop popの音にまったりと身を委ねていた。
店の外で激しく降る雨音はライブの音に心地よく混ざる効果音となっていた。

今回のライブは特集企画だ、とYasakaは話していた。 pop pop結成以来、ひたすらカバー曲に取り組んできている彼らだがその中には原曲のイメージを踏襲したカバー曲と、pop pop独自の解釈やアレンジを施したカバー曲があるという。
今回pop popが組んだ特集というのは、そういう原曲のイメージを踏襲した「ストレイト」なカバー曲と、独自の解釈・アレンジを施して楽曲の新しい一面を「デフォルメ」したカバー曲を2部構成に分けてセットリストを組んだライブだった。

pop pop結成時にYasakaは「まずはカバーをとにかくやる」と決めていた。さまざまなカバーに取り組んでいく中で、pop popという二人から成る音がどういう音になっていくのかを自分たちで掘り下げて行き、その音を基盤にオリジナル作りをしていこうと考えていた。 やがて今年になってpop popの二人はオリジナル作りにとりかかっている(制作はかなり難航しているが:苦笑)が、気がつけばカバー曲の中にも自分たちのオリジナルな響きを持った曲が増えつつあった。そこで今回それらを連ねてみる事で自分たちの現在を自身で見つめつつ、ライブという形で提示して見せた。

そして、今回のライブを見た人からは誰もが「2ステージ目の方がよかった」「オリジナルアレンジの曲の方がEmilyの声がのびのびしていた」とコメントした。かねてからカバー曲の選曲の良さが好評だったpop popだが、今回のライブで選曲だけでなく自分たちのサウンドアイデンティティも気に入ってもらえてるという実感を大きく持った。それは二人にとって大きな収穫だった。

自分たちの音は着実に育ちつつある。
しかし、いくらいい音が出せても、曲そのものが良くてナンボの話。
いい曲を作れるようにがんばろうと気持ちを新たにした二人だった。

SETLIST------------------------------------------

 [1stage]
 1.Ol' 55
 2.helpless
 3.Close To You
 4.Manic Monday
 5.Turn Me On
 6.Will You Love Me Tomorrow
 7.Time After Time
 8.Loving you forever

  [Bonus stage]
 1.Ruby Tuesday
 2.Beast of Burden
 3.mother's Little Helper

  [2stage]
 1.Big Yellow Taxi
 2. In My Life
 3. Don't think twice It's alright
 4 The Stranger
 5.We've Only Just Begun
 6.God Only Knows
 7.Wonderful Tonight
 8.What's going on
 9.Yesterday