■スウェーデンの「sson」について

現在のところ、Henrik Larssonnのように「sson」の前にrが入る人は「ション」、そうではない人、たとえばSven Goran Erikssonのようにrが入らない人は「ソン」、ということでなんとはなく合意ができているようだ。

ただ後者の場合でもエリクション、スヴェンションのように表記する人はいる。


推測だが、たぶんこの使い分けは「Rが無声音」というとこから来ている。アイスランド語やトルコ語などある言語では(この2つの間に言語学的なつながりはおそらく無かろうが)語尾に来るRが無声音(=喉を震わせない音)になるため、ほとんど「シュ」に聞こえる。たとえば、トルコ代表のエースストライカーだったHakan Sukurの名前をトルコ人に読んでもらうと「ハカン・シュクシュ」に近く聞こえる。


んで多分「ラーション」もここからきている。恐らくだが。語尾ではないのだが、Sの前に来るRが無声化して「ション」に聞こえるから、という理由。





ここまで言ってきてなんだが、私が重要と思うのは「ションだろうがソンだろうがどっちでもいい」ということ。「ラーソン」も「エリクション」もなんかカッコ悪いじゃないか、ね、そう思いませんか。思わない。あ、そう。


結局日本語表記なんて「間違いでない」レベルに入ったら程度問題なのだから、わかるように各々が好きにやれば良い。

グジョンセンとグドヨンセン


ベスチャスニフとベスチャストニヒ


パヴリュチェンコとパフリュチェンコ


いつの時代も「外国人の名前を日本語で同表記すべきか」という問題は我々を引きつけ、不毛な言い争いに引きずり込む。


最近はちょっとましになった。昔(7~8年前)は「Juan Sebastian Veron」が「ベロン」か「ベーロン」か、はたまた「ベローン」かで言い争っている人たちがいたものだ。あと「Yegor」が「イーゴル」か「イェゴール」かで同じ喧嘩をしている人をみたことある。海外サッカーがまだメジャーになりきっていなかった、古き良き時代であった(R.I.P WE HOLIC)


今日は今までネットサッカー界を騒がせてきたメジャーな発音がらみのトピックを取り上げたのち、発音問題に対する筆者のスタンスを述べる。

ちなみに筆者がまっとうな教育機関でまっとうに勉強したことがあるのは英語、ロシア語、アイスランド語、スロヴァキア語である。


■「グジョンセン」問題

日本においては一般的に「エイドゥル・グジョンセン」と呼称されているバルセロナ所属のFW/MF、Eiður Guðjohnsen。


アイスランド語の発音を日本語で表記するというのがどれだけ無謀かつ不毛な挑戦かはわかっているのだが、あえてカタカナにすれば「エイズュル・グュズヨンセン」が最も近いと思われる。(ただアイスランド語のuをどう発音するかはちょっと自信がない。なので「エイズル・グズヨンセン」でもほぼ一緒だと思う。)「ð」は「ズ」である。英語の「th」の濁ったほうと同じ音だ。


ただ、発音表記はプラグマティックであるべきだと私は思う。今日から私が彼のことを「エイズル・グズヨンセン」と表記し、毎回その下に「ðは英語でいうthなので「ズ」が正しく云々」と言っていたらたいがいの人は私のことを知識をひけらかそうとして失敗している痛い人だと思うだろう。私だったらそう思う。


そもそも外国語を完璧に日本語表記することはムリなのだから、どこまで突き詰めてもそれは一様に本来の発音から離れているという意味で「間違っている」わけで、結局程度問題でしかない。だったらみんなに認知されていて、実際にはあり得ないほどかけ離れていないものを使えばよろしい。


というわけで私は「グジョンセン」と一生呼び続けるつもりだが、この話をややこしくしている問題が一つある。2007年5月に発売されたNumber Plus「欧州蹴球記 辺境から来た偉人たち」において、グジョンセンはインタビュアーの質問に対しこう答えているのだ。




―インタビュアー「イングランドでは『アイダー・グジョンセン』という発音が一般的ですが、正式にはどう発音すればいいのでしょう?」


―グジョンセン「エイドゥル・グドヨンセン(中略)結局は、英語風の発音にされてしまうんだ。」




んなわきゃない。んなわきゃない、はずである。明らかに「ð」という文字が使われているのだから。そこで以下の可能性が考えられる。


1.インタビュアーが聞き間違えた


2.グジョンセンが「どうせわかるまい」と遠慮した、もしくは幼少時から海外生活の長いグジョンセンは「グドヨンセン」と周りから呼ばれ続けたために遠慮して発音する癖がついた。


多分2だと思うのだが。



続く

■ニューカッスル 18位 7勝11分け20敗 28得点57失点


・ラテン系をいっぱい買ってきたとこから変な予感はしてました。アルベルト・ルケの教訓はどこに。

・案の定、オーナーのマイク・アシュリー、ディレクターのデニス・ワイズの悪人顔コンビと喧嘩してキーガンが辞任。

・後任を探してババ抜きをしまくった結果(デイヴィッド・オリアリーを皆が無視しながらですが。)で手をあげたのはジョー・キニア。このガックリ感。

・だいたいワイズとキーガンがうまくやれるとでも思ってたんでしょうか。人間としてのベクトルが月とテナガザルくらい違います。思えばEURO2000の時は選手と監督だったのね。


・案の定選手から見限られるキニア。

・「同じアイリッシュだから」と(一方的に)信頼してたギヴンも泥船を捨ててシティへ。あんたのせいでハートの出番がなくなったんだ責任取れ(怒)


・ホナス・グティエレスとコロッチーニはまあ良いとして、ナチョ・ゴンサーレスとチスコはいったいどこの押入れにしまったのかという活躍っぷり。

・だから迂闊にラテンを買うとダメなんです。隣だってフリオ・アルカの愛されっぷりの裏にはニコラス・メディーナの大外れがあるわけで


・来年はどうするんでしょうかね。ライアン・テイラーとかCCCではドハマりしそうですが。

・ていうか今一度面子見てみたらとてもCCCでやってる図が浮かばんのですが。バットとガスリーの真ん中で左ダフの右ホナスとか、すげえ違和感。


・でもアミオビは大丈夫。マイク・ダフとかギャレス・マコーリーとかとグダグダ競ってる図がありありと。


<pick up>

・セバスティアン・バソン

・こんな良いDFどこにいたのかと。まあ普通にフランスにいたんですけど。

・カバー良し。予測良し。走って良し。ボールもって良し。これでパスが出せたら文句はありません。ホセ・エンリケとか隣でいいの出してるから教えてもらったらいいと思う。

・つっても両方シーズン始まる頃にはいないと思いますけど。