仕事の勉強になるテキストを、
以前そば湯さんが野呂さんに
譲ったそうです。
 
「野呂さん多分使ってないから
貸してくれるか聞いてみようか」
とそば湯さんが言いましたが、
すぐにこれはまずいと思った。
 
野呂さんは私に対して
なんでもかんでも怒ります。
 
「あんたはテキスト見るより
今は現場の仕事を覚える
段階でしょーが!」と
叫ぶ姿が目に浮かぶ。
 
私はおそるおそる、
「まだその段階じゃないでしょって
言われる予感がするのですが」
と言いました。
 
するとそば湯さんは
ハッとした顔をして、
「確かにそうだね」と。

2人で沈黙。
 
テキストは自分で
こっそり買うことにしました。