33歳独身女。
急に思い立って、ピアノを習うことにしました。
音楽は元々好きでしたが、特にピアノが好きだったわけでもなく、クラシックが好きだったわけでもなく、ましてやピアノを習おうなんて思ったことはなかったのです。
それなのにピアノを始めようと思ったのは…。
ある日、ふと訪れた雑貨屋さん。
その2階にはとても立派なオーディオがあり、聴いたことのあるピアノの曲が流れていました。
本当にいいオーディオで演奏も素晴らしく、私はしばし時間も忘れてその曲に聴き入っていました。
それは、何度も聴いたことがあって、電話の保留音にもなっているような曲でした。
傍にCDが置いてあったので見てみました。
辻井伸行さんのショパンのCDで、曲名はノクターン第2番。
クラシックなど全く興味のなかった私は、それがノクターンという曲であることも、ショパンが作曲した曲であることも知らなかったのでした…。
そうか、これはショパンの曲なのか…いい曲だな。
その時はそう思っただけでした。
それからしばらくして、家庭画報でショパンの特集があり、付録にショパンのCDが付いていました。
家庭画報など一度も買ったことがないのに、ショパンのことが気になっていたのもあって買ってみることにしました。
そのCDを聴いてみると、知っている曲ばかり。
別れの曲も、英雄ポロネーズも、革命も、幻想即興曲も全部聴いたことがあります。
ただ、それがショパンの曲だということを知らなかっただけ…。
私はそのCDですっかりショパンに魅了されてしまいました。
そして、その次の日には近所のTSUTAYAに「ベスト・ピアノ100」というCDを借りに行っていました。
J-POPやロックしか聴かなかった私は、クラシックの完成度の高さに度肝を抜かれました。
つまらないイメージしかないクラシックが、こんなにカッコよくて創造性があるものだとは知らなかったのです。
オーケストラのクラシックも聴いてみました。
もちろん素晴らしかったのですが、ピアノの演奏が一番しっくりきました。
なぜだか良く分からないのですが、その時にはもう自然と「ピアノを習おう」と思い立っていたのでした…。