- 薔薇のマリア X.黒と白の果て (角川スニーカー文庫 182-14)/十文字 青
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どうすればいいだろう。
どうすればきみは僕を見てくれるだろう。
きみがきみだってわかってくれるだろう。
「僕は、きみがどんな姿でも」
「それでも、僕は、きみを」
「嫌いには、ならない。アジアン、きみのことを嫌いになんか、なれないよ」
……お、おめでとうアジアン!!!!!
も、なんか読んでて泣けた泣けた!!!
薔薇マリは切ない話が多いんですが、今回のはもう、アジアンが前2巻分こっぴどく精神的に虐められっぱなしだったので辛かったんですよ!!
だがしかし!!!
いつもウジウジ悩んでは助けられっぱなしのマリアローズが、ついにアジアンを救う側になった瞬間!!
なんだか私の脳内でチャペルの祝福の鐘が鳴り響きました…!!
おめでとう、アジアン!!!(何度でも!)
前巻のラストで、旧友モーガンが敵側のメンバーとなって現れ、アジアンが自らその対戦相手に名乗りを上げ、始まってしまった「セブンス・ゲイム」。
フェイヤンとユリカ。ピンパーネルとジンワンとマリア。ベティ。ヨグ。
ルヴィー・ブルームの目論見は外れ、順調に戦いに勝利してゆく一行。
しかし案内人アクゼルこと「ダクゼル」との戦いは凄惨を極め、さらに待つルヴィーとの戦いは大人と子供ほどの実力の差があった。
激しく傷ついてゆく仲間達。
そしてルヴィーとの戦いの中、暴かれてゆく自身の「正体」に、精神的に壊れてゆくアジアン。
絶望的な状況の中、マリアを突き動かした想い。
「アジアンがアジアンじゃなくなってしまう」
止める声を振り切って救いに走ったマリアに、アジアンは応えることができるのか。
ルヴィーとの死闘の結末は、如何に…!?
てなカンジで進んで、セブンス編は終わりとなりました。
あああ…アジアンLOVEな私にとって、セブンス編はたまらなく悶えたシリーズでした!
青センセ、本当にありがとう!!!
今回も、バトルシーンはただのバトルではなく、個々の心情が丁寧に書き込まれておりました。
ユリカのマリアへの思いには泣かされました。
「あなたから学んだことがたくさんある」
そうか、そんなにマリアとの出会いでユリカの気持ちは変わったのか。
よかったよなぁぁ。
しかも、なんだかだいぶフェイヤンとイイカンジになっちゃってます!!
でもフェイヤンのポジティブ思考には、巻き込まれたら大変だとは思いながらも、ちょっと惹かれるものもあり。
だけどあまりにもラブだ!たぶん薔薇マリ一番のラブ具合だ!!
ジンワンは一途な男であることが判明。
そして意外にも純情な男であることも判明。
どうしよう、確かに変態なんだけど、いい奴に見えてきた…。
そして短編を読むことで深まるピンパーネルの「戦う意味」と「強さ」。
こちらも本当に一途な男です。
なんか、マリアと妙に合うみたいなんだけど、どうなのよ、仲良しなの?
ほっこりするな、このコンビは。
ベティと戦った「踊り羊」のクルオは、どうやらなかなかイケメンらしいことも発覚。
しかも女に手も早いようだ。
そんなクルオに思わず嫉妬(?)したアジアンが可愛く、
それを見てドキっとしちゃったベティ姐さんも可愛く、
更にそんな2人を見て嫉妬(?)したマリアも可愛かったです。
四角関係成立ですね!!
そしてヨグの謎がちょっとだけ明かされました。
なんだろね、ヒトではあるけど亜種だったんだ。
そういう意味では、アジアンとかトマトクンとかと繋がるカンジなんでしょうか。
どうやらちょっと深い部分まで知っているらしいし、そんな彼がアジアンの側についているってのは、果たして幸運なのか否か。
でも「僕らの頭領を苦しめるために」戦いを仕組んだルヴィーに怒っている彼の気持ちは本物だと思うので、それだけで十分なのかなと思います。
にしても、どうもアジアンはヨグの正体をうっすら感じているみたいですねぇ。
ルヴィーとの戦いの中で、トマトクンの正体の一端も明かされています。
次のシリーズはそちらが主体になるのかな?
前シリーズでの「ソオル」との繋がりも明らかじゃないし、この持っていきかたは伏線ですよね。
んでもってアジアン!!!
冒頭に書いた一文は、コミック2巻のアジアンのセリフへの返答のようだ…!!
さんざん嫌がっておきながらも、アジアンの存在に助けられっぱなしのマリア。
初めてアジアンを失うかもしれない場面で、それを「イヤだ」と確信したマリア!
アジアン、おめでとう!!(また!)
というかですね、さんざんチラチラ見せられてきたアジアンの出生が明かされたり、マリアに見られたくなかった身体の秘密まで明かさなくちゃならなかったり、もうホントアジアン祭り!!
「ジャシュギシュ」と「アルカーディア」と「タナトゥス」と「ヤヌゥ」。
「ウルクハンド」が出てくれば、夢の中編に出てきたキーワードが揃うのですが…。
出てこなかったね…。
つーか、奥の手をまだ隠しているってことでスネ、アジアンは…。
すげぇな、本気でトマトクンとやりあっても、いい線いけるんじゃなかろうか。
「ヤヌゥ」でなんでもどーにかなりそう。
まぁ…そんな自分をアジアンは隠しておきたかったみたいですが、マリアに肯定され、ベティに見守られ、ダリエロには褒められちゃって(笑)
アジアンは幸せ者だな!!!
そしてラストのラスト!!
なんっだこのLOVE!!!!!
嬉しすぎるぞチクショウ!!!
この2人は、どうやらなにかで繋がっているみたいなのですが、
それが引き裂かれないことを祈っています。
しかしな…
読めば読むほど深まるな…
マリアローズって、何者なんだろう…。