ヴィム・ヴェンダース監督の「パーフェクトデイズ」を昨年末に観に行きました。


観に行きたかったのは、役所広司さん主演で、昨年のカンヌ映画祭で主演男優賞を受賞していたので興味があった事が一つ。


もう一つが東京トイレプロジェクトから派生して作られた映画という事で、デザインの凝ったトイレを観れるという事でした。


観終わってすぐの感想としては、「うーん、期待値が高かったからかあまり感激しなかったなぁ。よく分からないし。」でしたが、観終わってからじわじわと良さを感じてきています。


日常のルーティンを繰り返し映しながら、少しずつ色んな事が起こる世界。


主人公の平山が、他人から見たら変わり映えしないと思われる様な日常に敬意と自信を持って日々を味わって過ごす姿に共感しました。


「世界は繋がっている様で、繋がっていない世界もある。」


「今度は今度。今は今だから」


「影が重なったら、濃くならないわけが無い。」


言葉少なな平山が口を開くとき、毅然とした言葉には、孤独の厳しさと人への愛情に溢れていた様に思います。


映画の中に出てくる。幸田文の「木」とパトリシア・ハイスミスの「11の物語」を読んでみたくなりました。