わたしの両親
二人揃って
認知症です
父は実家で兄家族と
母は施設に入居での生活
86歳と87歳
今年の2月までは
いつもどこでも
一緒にいた二人
離れ離れになるなんて
誰も思わなかった
父は白内障で
両目とも
ほとんど見えていません
母がいたときは
父の目の代わりに
なっていたのでしょう
近頃の父は
ひとりぼっちで
過ごす時間が
多くなりました
最近
父宛てに
父の幼なじみから
昔の写真が同封されている
手紙が届いたようです
自分の目で
読ませたい
目が見えたら
もっとしっかりするんじゃないか
そんな期待を持ちながら
片目だけでも
手術を受けさせたい
兄からの相談でした
兄が面倒を見てくれているので
それもいいんじゃない?
と答えました
しかし
当の本人は
もうこの歳だから
今さらいいんだと言い張ります
怖いのもあるんだと
思います
手術には
本人の同意がないと
できません
兄は説得すると
言っていました
数日後
わたしだけ
病院へ行き
兄が父を説得をしたと
先生に報告しました
眼の手術は局部麻酔です
ちょっとでも動くと
角膜を傷付けます
心配なら大きい病院で
全身麻酔で受けた方が
いいのではとのことでした
実際
わたしも
そう思っています
無理矢理な気がして
モヤモヤしています
だけど
兄はあくまでも
日帰り手術にこだわり
そのまま
手術をさせたい
気持ちでいます
電話で伝えました
やっぱり
日帰りはやめたら?
なんで?
兄がお世話をしているので
わたしが言えるのは
ここまでが
精一杯です
父は認知症です
言うことが
コロコロ変わります
もちろんさっきのことも
すぐに忘れます
たぶん
直前になったら
大騒ぎするでしょう
お父さんは
いま幸せなのかな
笑えてるかな
