前回の記事に登場したマネージャーから、どのような部分で分からないと感じているのか、具体的に教えて欲しいというメールが来ました。


ただ、「***が分からない」という質問をしても、その質問だけに答えが返ってくるだけで、応用が利かなくなると思い、自分がこれまでどのような勉強をしてきて、今どの程度のことができるのかを具体的に書いた上で質問をしてみることにしました。


例えば、掛け算というもの自体が分からないのに、「"3×3"はいくつ?」という質問をしても、「答えは"9"です」と言われるだけで、「では、"5×5"はいくつになるか」と考えても、結局答えが分からないということになりかねないということです。


そこで、自分のバックグラウンドとして、以下のことを伝えてみました。


【学生時代】

中学/高校では、ほとんど英語の勉強をした記憶がないが、洋楽は好きだったので、歌詞カードを見れば何となく、それっぽく歌うことはできる。


【会社その1】

会社に入って、英語が必要になり、勉強をしようと思ったときに受験したTOEICの点数は300点ギリギリ。

最初に始めた勉強方法は、CD付きの本を買ってきて、通勤途中に聞く(可能であれば、テキストを開いて黙読する)というものだった。

何回か聞くと、単語は聞こえてくるようになるが、日本語の意味はまったく分からず、文章としては理解できていない。


【会社その2】

次に試したのが、音読をすること。

[会社その1]よりも、聞こえるようになる時間が短縮されたが、結局日本語の意味はまったく分からない。


【会社その3】

次に、意味の分からない単語を調べるようにした。

単語の意味が分かるようになると、何となく何を言っているのかが分かるようになった。

しかし、文法を理解していないので、相変わらず文章としては成り立たない。


【会社その4】

ここで、とうとう行き詰まり、文法の勉強を始める。

今まで文章として理解できていなかったものが、少しずつ文章として理解できるようになり始めた。


このように過去を振り返ると、たぶん自分としては、ほとんど「聞く訓練」しかしてこなかったんだと思う。


このように、これまでの勉強方法を理解してもらった上で、質問をしてみた。


●質問1 (現状の問題1)

短い文章は、話をされても聞き取って理解することができるが、長文はさっぱりわからない

特に、句/節/関係代名詞(副詞) などが入ってくると頭の中が白くなる。

あと、動詞が何回も出てくるとプチパニックになる。

どうすれば、長文が理解できるようになるか?


例1 : The man looking at us is a teacher.

例2 : The man who likes a car wants to be a mechanic.

例3 : The woman whose dream is to work abroad has studied English hard for a long time.

例4 : When I came home my wife was cooking dinner.


例3なんかは、まさしくパニックになるいい例で、「関係代名詞+不定詞+現在完了形」というかなり最悪なパターン。

例4は、冷静な状態でなければ、最初に"When"がくると、疑問文だと思ってしまう。


●質問2 (現状の問題2)

とっさに英語が口から出てこない

ある程度の長さの文であれば、知っている単語の範囲内で話すことはできるが、それだけでは伝えたいことの数割しか伝えられない。

どうすれば、レスポンスがよくなるか?


話せるレベルの英語

例1 : I asked him to do this job.

例2 : Did you tell him to call the customer?

例3 : I want to change the meeting time.

例4 : If you want to know it I can tell you it.


これより長くなると、とっさには口から出てこない。


と、こんな感じで、「今までどのような勉強をしてきて」、「今どの程度のことができるのか」を理解してもらった上で、現状困っていることを質問してみた。


たぶん、どちらの質問も「訓練」と言われそうな気がしているが、どのような返事がくるか楽しみにしている。


英語の勉強で躓いている人も、自分が過去にどのような勉強をしてきて、今どのレベルにいるのかを分かってもらった上で、次の勉強方法を教えてもらえると、真に参考になるんだと思う。