タイトル
ドラゴンロード
概要
1982年の香港映画
上映時間は96分
※インターナショナル版は102分
あらすじ
武術道場の家に生まれたロンは厳格な父親の目を盗んでは親友のジムと遊んでばかりいた。ある日、盗賊団の騒ぎに巻き込まれてしまい…。
スタッフ
監督はジャッキー・チェン
音楽はフィリップ・チャン
撮影はチュン・チンチュー
キャスト
ジャッキー・チェン(ロン)
チャーリー・チャン(副長官)
シドニー・チャン(シャオリー)
マース(ジム)
ティエン・ファン(ロンの父親)
感想
ジャッキー・チェンがアメリカ進出を図った「バトルクリーク・ブロー(1980)」の失敗を受けて、香港に戻って製作した一本。終盤のアクションシーンでスタントマンが2名亡くなっている。
上述のように一度はアメリカ進出に挑戦して失敗したジャッキー・チェンが再び香港で製作しており、「バトルクリーク・ブロー(1980)」以前のジャッキー映画らしい雰囲気は存分にある。ただ、それだけではない。確実に進化しており、後のジャッキー映画を思わせる要素もいくつかある。
たとえば、クライマックスにおける建物内での戦い。以前のジャッキー映画ならだだっ広い空き地みたいな場所で延々と戦いを繰り広げるというものだった。そこへ色んな「拳」を使うという工夫を加えるだけで基本ストーリーもほとんど同じだった。そう考えると建物内での戦いにしたことで、位置関係を使った戦い、小道具を使った戦い、さらにジムという相棒との協力プレイなどそれまでのジャッキー映画とは異なる魅力に溢れている。これが以降のジャッキー映画のスタンダードになっていくのか。
それから本作をより特徴的に見せるのが、どう考えても本筋とは関係なさそうなスポーツシーンが2つもあることだ。1つ目は中盤に用意されているフットサルコートくらいのサイズの場所で両チームが重石のついた羽根を蹴りあいゴールを奪うという架空のスポーツ。他の映画でもお見掛けすることがないので印象に残る。とにかくジャッキーの身体能力の高さを感じる場面になっているが、本筋とは一切関係がない。ただ見応えはある。
それからクライマックスが終わった後に突如として始まる謎の陣取り合戦。色の違う鉢巻をした大勢の男たちがラグビーのような競技を始める。竹で組んだような櫓に大勢の男が登りバランスが崩れて倒れてしまう場面もあり、おそらくこの辺りでスタントマンの方が亡くなられたのだろう。終わりの見えない男たちによるボールの奪い合い。こちらも見応えこそあるのだが、なぜこんなことをしているのかは不明。
かつてのジャッキー映画のように厳格な父親と遊び呆けるジャッキーという構図に分かりやすいくらいの悪役。そこへ今までのアクション映画との決別を宣言するかのようなアイデア満載のアクションシーンが用意され、ジャッキー映画の大幅な進化を見て取ることができる。スポーツシーン2つは急に別の映画が始まったような違和感を残しているがそれも本作の味というところだろうか。
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吹替情報
・フジテレビ版(1985年10月19日「ゴールデン洋画劇場」)
・ソフト版
※2012年に発売のBlu-rayにフジテレビ版の日本語吹替を収録
配信関連
<Amazon Prime Video>
言語
├オリジナル(広東語)
ソフト関連
<BD(エクストリーム・エディション)>
本編
├日本公開版
├インターナショナル版
言語
├オリジナル(広東語)
├日本語吹替
├フジテレビ版
├ソフト版(2014年新録)
映像特典
├メイキング映像
├ルイス・シット インタビュー
├予告編集
├フォトギャラリー

