【タイトル】
ビバリーヒルズ・コップ:アクセル・フォーリー(原題:Beverly Hills Cop: Axel F)
【概要】
2024年のアメリカ映画
上映時間は118分
【あらすじ】
ビバリーヒルズで探偵に転身したビリーから連絡を受けたアクセルは、弁護士をしている娘のジェーンが危険だと聞きビバリーヒルズへ向かう。
【スタッフ】
監督はマーク・モロイ
音楽はハロルド・フォルターメイヤー
撮影はエドゥアルド・グラウ
【キャスト】
エディ・マーフィ(アクセル・フォーリー)
ジョセフ・ゴードン=レヴィット(ボビー・アボット)
タイラー・ペイジ(ジェーン・ソーンダース)
ケヴィン・ベーコン(グラント)
ジャッジ・ラインホルド(ビリー)
ジョン・アシュトン(タガート)
【感想】
シリーズ30年ぶりの4作目はNetflixで製作され、かつての共演者が多数出演した。
エディ・マーフィがもう63歳になったなんて信じられないほど若々しく見えるが、かつてのシリーズのような身のこなしもまくしたてるような早口もない。30年という年月がそうさせているのだろうが、じゃあどこがどう進化したというのか。映像がきれいなくらいじゃないだろうか。
物語は疎遠になった娘との復縁がメインである。アクセル・フォーリーの元妻でありジェーンの母親の話はほとんど出てこず、どういったいきさつでアクセルとジェーンが別居し、ジェーンはフォーリーからソーンダースに姓を変更したのかもよく分からん。そこまでして父親であるアクセルを嫌っているのに、映画を見ていると割と早々に受け入れている感じがするのもちょっと甘い気がする。
アクセル・フォーリーがビバリーヒルズにやって来るのは4度目になるわけだが、娘のジェーンがそこで弁護士をやっているなんて設定にしてまで来なければならないものかね。旧シリーズのキャストがあれやこれやと出演しており、どうしても同窓会的な意味合いにしか感じられなかったな。
長年にわたって脚本が練り続けられたそうだが、結局かなり無難な物語に着地したなという印象だ。別にベタな物語だろうと無難な物語だろうと、語り口や情熱次第で観る者を惹きつけるものはいくらでも作れると思うが、そういったものも感じない。やはりエディ・マーフィのまくしたてる早口がなければこのシリーズらしさは失われたも同然。もし年齢の問題でそれができないなら、その年齢相応の物語を用意できなかったものか。
さらに、黒人差別や異人種間の男女交際などにも一応は触れており、むしろこういった作品こそそういった要素を抜きに楽しめる作品に仕上げるべきだったと思う。また、アクションシーンも良くも悪くも印象に残らないものだった。カーチェイスやシリーズ1作目のクライマックスを思わせる銃撃戦は出てくるが、「おっ」と思わせるものはない。
取り立てて悪くもないが別に良くもない。同窓会的な意味合いが強く、さらに悪役にはエディ・マーフィと同じく80年代にブレイクしたケヴィン・ベーコンがいつものように楽しそうに演じている。無難な物語にしたことで前作のような大失敗には陥らなかったが、本シリーズの始まりに感じられた勢いや情熱みたいなものは完全に失われてしまっている。
【関連作品】
「ビバリーヒルズ・コップ(1984)」…シリーズ1作目
「ビバリーヒルズ・コップ2(1987)」…シリーズ2作目
「ビバリーヒルズ・コップ3(1994)」…シリーズ3作目
「ビバリーヒルズ・コップ:アクセル・フォーリー(2024)」…シリーズ4作目
取り上げた作品の一覧はこちら
【予告編】
【配信関連】
<Netflix>
リンクはこちら