【タイトル】
或る夜の出来事(原題:It Happened One Night)
【概要】
1934年のアメリカ映画
上映時間は105分
【あらすじ】
決められた結婚に反対の令嬢エリーは家を飛び出して夜行バスに逃げ込む。そこへ居合わせたのが新聞記者のピーター。彼らはいがみ合いながらも徐々に心を通わせていく。
【スタッフ】
監督はフランク・キャプラ
音楽はルイス・シルヴァース
撮影はジョセフ・ウォーカー
【キャスト】
クラーク・ゲーブル(ピーター・ウォーン)
クローデット・コルベール(エリー)
【感想】
アカデミー賞では作品賞、主演男優賞、助演男優賞、監督賞、脚色賞の主要5部門を受賞したスクリューボールコメディ(ちなみにこの5部門(脚色賞か脚本賞)の受賞はグランドスラムと呼ばれており、本作以降では「カッコーの巣の上で(1975)」と「羊たちの沈黙(1991)」しか成しえていない偉業)。
クラーク・ゲーブルはジョーン・クロフォードとの不倫の罰としてMGMから本作のために貸し出された。モンゴメリー・クリフトやフレデリック・マーチがピーター役を断っている。
お嬢さんと年上の新聞記者の逃避行は後の「ローマの休日(1953)」そのまんまである。当然のことながら「ローマの休日(1953)」の方が有名になので仕方ないが、本作のほうが20年近く前の作品である。
その「ローマの休日(1953)」との決定的な違いはヒロインを演じた女優の差だろう。本作でヒロインのエリーを演じたのは当時32歳頃のクローデット・コルベールである。派手なメイクに長く弧を描いた眉が印象的である。それに比べ「ローマの休日(1953)」のオードリー・ヘプバーンは若くてナチュラルメイクである。好みの問題もあるが、比べるなら後者に軍配。箱入り娘という設定でピーターがあれもこれも指南するのは理解できるが、年齢的にかなり幼い印象を持ってしまうので、これならまだ20代前半の世間知らずな娘という方が納得感はあっただろう。
いわゆるスクリューボールコメディの走りのような作品で、いがみ合っていた男女が次第に仲良くなっていく様子は手堅く描かれていたように思う。ちょっとした思い違いからラストまでの急展開はかなり駆け足な印象こそあるが、これぞ王道の娯楽作。
【関連作品】
「或る夜の出来事(1934)」…オリジナル
「夜の乗合自動車(1956)」…リメイク
取り上げた作品の一覧はこちら
【配信関連】
<Amazon Prime Video>
言語
├オリジナル(英語)
<Amazon Prime Video>
言語
├日本語吹き替え
【ソフト関連】
<DVD>
言語
├オリジナル(英語)
音声特典
├フランク・キャプラ・Jr(監督の息子)による音声解説
映像特典
├メイキング・ドキュメンタリー
├ラジオ生放送(1939年に放送された映画のラジオドラマ化)
├公開当時の広告
├オリジナル劇場予告編
├タレント・ファイル