【タイトル】
ロイドの要心無用(原題:Safety Last)
【Podcast】
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【概要】
1923年のアメリカ映画
上映時間は73分
【あらすじ】
ハロルドは大都市での成功を夢見て愛するミルドレッドを残して旅立つ。デパートの店員になったハロルドは無理をしてミルドレッドにプレゼントを贈ると、ハロルドが成功したと考えて、ミルドレッドはハロルドに内緒で会いにやって来てしまう。
【スタッフ】
監督はフレッド・C・ニューメイヤー/サム・テイラー
撮影はウォルター・ランディン
【キャスト】
ハロルド・ロイド
ミルドレッド・デイヴィス
【感想】
世界三大喜劇王の一人であるハロルド・ロイドの代表作。特に終盤に時計台にハロルド・ロイドがぶら下がるシーンは有名で、「プロジェクトA(1984)」「バック・トゥ・ザ・フューチャー(1985)」「ヒューゴの不思議な発明(2011)」などでオマージュが捧げられている。また、2019年1月1日からパブリックドメインになっている。
前半から中盤まではデパートの中を使ったドタバタコメディで、後半はデパートの外壁を登っていくというハラハラドキドキのコメディになっていく。映画製作時の工夫により高い場所でアクションが繰り広げられているという錯覚を用いた映像は全く古びておらず、映像でどう見せるかにおいてはすでに100年前に完成していたことはよく分かる。
ハロルドはビルに代わってデパートの外壁をどんどん登っていくのだが、1階登っていく度に新たな難関がハロルドに立ちはだかる。鳩が飛んできたり、窓から木の棒が突き出てきたり…。1階ずつ登っていく展開は、ブルース・リーの「死亡遊戯(1978)」と同じである。
これほどの大金に目がくらんだのも、デパートの外壁を登ってくれるはずのビルが警官に追いかけまわされるのもすべてハロルドのせい。だから彼がデパートの外壁を登って然るべき。でも、やるからにはやってやろうという前向きな性格が観客から愛される所以だろう。
また、自由や成功を求めてヨーロッパからアメリカに人が渡り、また大都市での成功を夢見て田舎から都会へ若者がやって来る。決して仕事ができるとは言えないハロルドが1階ずつ着実に上がっていく。ビルと警官は1階上で追いかけっこをしているが、ハロルドが屋上に来た頃にはかなり下の方で追いかけっこを繰り返している。デパート関係者や野次馬は遥か下にいる。ハロルド・ロイドという1人の人気者の誕生ならびに、ミルドレッドという愛する女性と結ばれることが同時に叶うという気持ちのいいラスト。
同じ三大喜劇王のチャップリンやキートンに比べるとやや印象の薄いロイドだが、それでもこの1作だけで十分にその価値を誇れるだけのものはある。100年前の映画でもこれだけ楽しめてハラハラできるなんて。まさに映画史に残る一本。
取り上げた作品の一覧はこちら
【ソフト関連】
<DVD>
<DVD(9枚組)>
収録内容(Disc1)
├「ロイドのブロードウェイ」
├「都会育ちの西部者」
├「ロイドの大勝利』
収録内容(Disc2)
├「危険大歓迎」
├「好機逸すべからず」
├「俺がやる」
収録内容(Disc3)
├「豪勇ロイド」
├「ドクター・ジャック」
├「ロイドの要心無用」
収録内容(Disc4)
├「巨人征服」
├「猛進ロイド」
├「客に混って」
収録内容(Disc5)
├「ロイドの初恋」
├「ロイドの人気者」
├「落胆無用」
収録内容(Disc6)
├「ロイドの福の神」
├「田吾作ロイド一番槍」
├「ロイドの父に聞いて」
収録内容(Disc7)
├「ロイドの化物屋敷」
├「ロイドのスピーディ」
├「ロイドの水平」
├「其の日ぐらし」
収録内容(Disc8)
├「ロイドの活動狂」
├「ロイドの神出鬼没」
├「ロイドの何番々々」
├「眼が廻る」
├「ハート張り」
収録内容(Disc9)
├「ロイドの牛乳屋」
├「足が第一」