自分の勝てないトレードを改善していくうえで、この格言はこの行動や思考のことだったのか、といった気付きを綴っていきます。
格言というのは解釈を拡大していけばビジネスや人付き合いなどあらゆる場面で当てはまってきますね。

 

【人の行く裏に道あり花の山】

 

野村証券のホームページにはこうあります。

 

「株式市場で利益を得るためには、他人とは逆の行動をとらなくてはならないという格言。」

 

相場では「大衆心理の逆をいけ」とか「上昇中には売りを考えている人が勝てる」などと言われ、それを表している格言と言えます。

じゃぁ格言通りに自分が上がると思ったら売り、下がると思ったら買えば勝てるようになるのか。
人が見向きもしない企業の株を買い、人気急上昇中の株を空売りすればそれで大儲けできるのか。

そんな簡単な話でもありません。

 

言わずもがな格言でいう「人」は「大衆」です。
大衆の反対に行くには大衆の考えていることがわからなければなりませんが、どうすれば大衆の考えていることがわかるのか。

 

それはまず、自分が負け続けることです。

 

これはとても簡単なことです。実際に今も負け続けています。
負け続けている自分が大衆の一人ということです。

自分の負けトレードから大衆心理を学び、その逆を行けばいいのです。
 

これを客観的、視覚的に学ぶ方法がトレード日誌です。

なので、余談ですが自分は大衆心理をもう把握し反対行動を実践できているという人はトレード日誌なんて必要ないんじゃないでしょうか。まぁ、いつかどこかで客観視できなくなる日が来るという人たちがほとんどですので、日誌を付け続けることは必要なんだと思います。

 

さて、更に深堀ります。

 

上昇トレンド中に売れば儲かるとかそんな簡単な話ではないと述べました。
それは何故か。

やってみればわかることですが、自分が買おうとした時に売り注文を出す、という自分の思考と逆の行動を取ることがことのほか難しいんです。
いや、最初はできるんです。でもやり続けることがどうしてもできなくなってくる。というか、精神的に耐えられなくなってくるんです。

上がると思った場所で売りポジションを持ち、その後下げてくれれば何の問題もありません。が、上昇し始めた時の精神状態が殊の外悪い。

考えてみてください。そもそも上がると思っていたものが「含み損が膨らみながら」上昇していくんです。もう訳が分からなくなってきます。

 

結果、自分には上がると思ったところで買い、下がると思ったところで売るしか方法がないという結論に至りました。

 

では、人の行く裏をどうやって腹に落とすのか。

ここで一つ気が付いたことがありました。

「買う」「売る」という全く正反対の行動で裏表を考えていましたが、もう一つ上の段階にも裏表があるということ。

 

それは「注文する」と「何もしない」ということです。

 

格言には「待つも相場」というものがありますが、正にこれです。
この格言だけを取ってみると待つべきところは待つべし、みたいに待つ場面というのを予め把握してるからこそ実践できる格言とも言えますが、負け続けている人にはそんなものは把握できないんです。だからポジポジ病なんて言葉も生まれるわけです。

でも、


大衆が「買いたい!」と思っている場面では「売りかも」と思い、
大衆が「買うぞ!売るぞ!」と行動する時は「まだ待とう」と何もしない行動を選択するとすればどうでしょう。
しっかり大衆との反対の思考、行動になっているのではないでしょうか。

 

具体的に自分に当てはめると、注文執行ボタンに手を掛けた時に思いとどまる。
もう一度チャートを見返し本当に入っていい場面なのかを考え直す、買おうとしている自分の反対の立場の売ろうとしている人たちはどんな気持ちなのか、何もしない人たちはどんな思いで見ているのかを今一度立ち止まっておさらいする。

 

これを実践するようになって劇的に成績が変わり始めました。
トレード回数が激減し、買おうと思っていた場面が実は売るには絶好な場面なんじゃないかと思いとどまれるケースが激増しました。

損切のタイミングも改善され、根拠が崩れる場面までしっかりと我慢できるようになり、利益確定も(これはまだまだですが)ある程度根拠を持ちながら伸ばせるようになってきています。

 

 

【人の行く裏に道あり花の山】
自分の思考、行動を表とすると、ことそれらには全て裏があり、その裏を認識、把握することで今の自分の判断が正しいのか客観視できるようになる。

これがこの格言の自分の深堀り解釈です。

また続きや他の格言で思いついたことがあれば書きたいと思います。