谷崎潤一郎の「春琴抄」から読み解く、アンティーク着物の謎。 | 着物と手作り石鹸と小さな暮らし。

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本物を超えるレベルの着物アイテムの復刻版の作成を目指しています。
猫ファーストなので、のんびりペースですが…。
百年先の世界にも継承できるように、希少なアンティークのハギレや半襟を常に探しています。
体幹機能障害3級です。

こちらは、アンティークの振袖です。

ずっと不思議だったのは、今よりも男尊女卑がひどい時代に、なぜ娘のためにこんなにも豪奢な着物がたくさん作られていたのか…という点です。
この本は、谷崎潤一郎の「春琴抄」です。
薄い本なので、簡単に読めますが、内容がなにかと凄い…。
 
まだ読んでいらっしゃらない方のために、内容はもちろん伏せておきますが、私が驚いたのは、「男女差別よりも、身分差別の方がはるかにひどい…。」ところでしょうか。
あとでわかった事ですが、息子が頼りにならない場合には、娘に優秀な婿を取らせる事もあったようで、「娘=必ずしも嫁に出すもの」とは限らなかったようです。(ただし、貧しい農村などでは、息子が生まれるよりも娘が生まれる方を喜んだようです。売りに出して現金化できるからでした。ひどい話です。)
しかし、春琴はお嬢様なので、かなり贅沢な暮らしをしています。(詳しくは中身をご覧下さい。m(_ _)m)
春琴のようなお嬢様だったら、納得のこちらのアンティーク振袖。
両肩には藤の花が咲き誇り、
左から袖には大輪の牡丹。
右袖には、梅とこちらも大輪の菊の花。
下前には、鳳凰。
その上には万寿菊。
上前上部には、梅、薔薇、水仙に小菊。
上前裾部分には、薔薇、菊、貝合わせ、名前を忘れてしまいましたが、玉手箱?みたいなものも、事細かく描かれています。薔薇の背景の暈しの部分も名前はわかりませんが、かなり丁寧な仕事です。濃淡や色使いまで変えてあります。
上前中央には、シミがありますが、刺繍のある牡丹に水仙、水仙の方は籠?のようなものに入っているのでしょうか??
振袖の背面です。
空を思わせる暈しの地色が、遥かなる世界に私達をいざないます。
背面裾には、紅梅や紅葉まで描かれています。
日本の美しい物を凝縮した、抜けのない逸品です。
これもまた謎なのですが、しつけ糸が中途半端に付いています。
着用された跡はあるので、保管用にしつけ糸を付けて、外し忘れたものかもしれませんね。(^^)
 
ちなみにこの振袖は、まさかの二万円代でした。
ネットショップですが、たまたま値下げになる夜の十二時過ぎに掲載されたページを開いたらセールになっていたのでした。ありがたや、ありがたや。\(^o^)/
綺麗な場所しか写してないので、このままでは着れません。つまり、まだ一回も着れていません。
神石では五月半ばでも、藤の花が満開でしたので、無理矢理着れば良かったのかもですが、三月、四月、五月は、どこの悉皆屋さんも和裁士さんも一番忙しい時期なので、かなり前もって準備をしなくてはなりませんし、この振袖に合う帯がそもそもありませんでした。(T ^ T)
コレクションのままで終わってしまうかもですね…。ほっこり桐の箱に入れて、保存だけはしっかりしないとです。
ちなみに春琴さんは、性格はきついので読んでみられて、「なんか思ってたんと違ーう!」と思われたらすみませんあせる
 
祖母のお葬式の時にものすごく小さな祖母の若い時の写真が、スライドで大きく映された時に、「あっ!春琴のイメージだわ!」と思いました。
 
一見、たおやかで優しく小柄な、いかにも大正生まれのお嬢様のような。
 
実際は、水木しげる先生的にいうと「猛母」でした。芯の部分は優しいのですが、祖母が認知症で「私はお嬢様じゃった。」と言った時も「どこがよ?」と聞き返していたくらい個性的でした。姉妹で女学校に行けるというのは、今思えばお嬢様ですよね…。
 
私は祖母に口調が似ていると言われますが、祖母ほど全然美人ではなく、気性の荒さが顔に出てますにやり
 
首から上が「カンニング竹山」さん似(他称)で、首から下が「とにかく明るい安村」さん似(自称)なので、遺伝子って本当に不思議ですよね〜ぶー
 
カンニング竹山さんは、本当は優しいですが…。
 
着物ブログランキングも五月いっぱいで抜けますので、最後に美しいものを引っ張り出して来ました。
 
LUNCOさんの薔薇幻術の時の、「世界で一番美しい羽織」も反響を頂きまして、ありがとうございました。→https://ameblo.jp/popins7/entry-12378937099.html
 
 
「下手な恋愛より、よっぽどアンティーク着物との出逢いの方がロマンチック。」という名言まで頂きましたほっこり
 

 

 

 

 

 

 

 


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