{作詞・作曲:J.モラーリ、H.ベロロ、V.ウィリス、日本語訳詞:あまがいりょうじ}

 

 「オリコンNo.1ヒッツ」によると、西条秀樹にとってこの曲は「ちぎれた愛」「愛の十字架」(共に1973年)に続く3曲名の第1位曲。 作詞作曲クレジットを見て分かる通り、オリジナルは洋楽曲です。

 

アメリカの新興レーベル、カサブランカレコード(設立はそれ以前も数々のヒット曲を放っていたプロデューサー、ニール・ボガード)から発売されて大ヒットしたナンバー「Y.M.C.A.」で、これを歌っていたのは、6人組グループ『ヴィレッジ・ピープル』。

 

ヒデキの日本語カヴァー盤では、原題をカッコ付き副題としてタイトルを「YOUNG MAN」として発売、大ヒットしました。当時TBSで始まって人気音楽チャート番組となっていた『ザ・ベスト10』でも9999点の最高得点を記録した第1位曲となったそうです。 まずは1979年に日本歌謡大賞を受賞した西条秀樹の華やかなライブ映像で「YOUNG MAN」です。  

 

もう半世紀近い年月が経過しているので多くの方はご存じの通り、ヴィレッジ・ピープルは、フランス人の音楽プロデューサー、ジャック・モラリが「ゲイの象徴的グループを作ろう」という思いつきで始めたグループです。当初は6人組で、アメリカンネイティブのインディアンの羽飾りをかぶったメンバーが特に知られていますが、基本はゲイカルチャーをベースにした音楽で人気を博しました。 ヴィレッジ・ピープルのオリジナル・ミュージックビデオです。  

 

このあたりになると、ゲイカルチャー色は希薄になったのでしょうか、女性に大人気の日本ダンス&コーラスグループ、GENERATIONS from EXILE TRIBEによる「Y.M.C.A.」のMusic Videoです。  

 

ここまでくるとお子さま向けの楽しい動画音楽となっていますね。アニメキャラ、ミニオンズが歌う「Y.M.C.A.」です。  

 

どんな曲でもマイウェイにこなしてしまう桑田佳祐サンも歌っています。  

 

軽快で楽しいナンバー、「YOUNG MAN(原題:YMCA)」は、日本ではヒデキの代表曲となっているようです。

 

今年3月にNHKBSで放送された「アナザー・ストーリーズ~西条秀樹の“革命”」というドキュメンタリー番組で知ったのですが、ファン思いのヒデキが着想して開発・実践した3つの「革命的表現手法」があったとか。

 

 一つ目は、観客にペンライトを持ってきてもらって、コンサートの一体感を演出する手法。当時はペンライトが市販されていないので、懐中電灯を持参してほしいと事前に依頼したとのこと。二つ目は、大阪球場でのコンサートでできるだけファンに近づきたいからとの意向により、建築用重機であるクレーン車を会場に導入して、その先端にあるカーゴの中に本人が入って歌うこと。もちろん傾斜の急な球場に合わせて操作したそうです。三つめは、コンサートではファンの歓声が大きすぎて自分の歌が観客に伝わっていないことの改善のため、曲作りの時点で「コール・アンド・レスポンス」(ヒデキがワンフレーズを歌いかけ、それにに応じてファンが合唱して応える手法。ゴスペル教会などで一般的な歌唱法)を導入したこと。 いやー、いまさらながらヒデキのアイディア力とそれらを実践する実行力に感心しました。

 

63歳で亡くなったのが2018年5月ですから、亡くなって7年も経ったのですね。

 

 【蛇足ながら・・・】 

最近「Y.M.C.A.」をYouTubeで見ると出てくるのが、米国の現大統領がご自身の応援者集会で、この曲が歌われて会の盛り上げに一役買っている場面です。しかも大きな集会では、現在のメンバーによるヴィレッジ・ピープルまで会場に招いて歌い演奏させて、ご本人もお得意のあのリズム感を披露されている様子を見ることができます。

 

不思議なのは、彼のMAGAマガしいダンシング姿はさておき、元はといえばこの曲とグループの出自は、氏の大ッ嫌いな「ゲイカルチャー」振興ソングとして作られて世界中でヒットしたことをご存じないのでしょうかしらね、優秀な側近の誰かが教えてあげてほしいな、ということです。

 

 popfreakとしては政治的な色合いを排するため、集会の動画は貼り付けません。気になる方は、YouTubeで検索してご覧になってください。