{作詞:永六輔、作編曲:いずみたく} 

 

これも永六輔=いずみたくコンビによる「にほんのうた」シリーズの中の1曲で、発売されたシングル盤は「銀杏並木」(大阪の心斎橋の銀杏並木を歌った曲)とのカプリングだったとか。これもいい曲なのですよね。 

 

このシリーズの歌唱を、本業はジャズ・コーラス・グループであるデューク・エイセスに歌わせるところがこの企画の重要なところで、もし男性や女性の歌手が一人だけで歌うことになると、企画全体にその歌手の色がつくのを避けたのではないか、とボクは推測しています。

 

このスマートなポップ感を盛り込んだ「ご当地ソング」は、前回の「おんな一人」のように観光地としての起爆剤になった事例は、後の「津軽海峡・冬景色」や、水森かおりの一連のシリーズに引き継がれているようです。 さて最初は、デュークのレコード音源です。

 

 

なおこの4番の歌詞に登場する温泉地は、すべて「上州」の温泉で、一番は草津の湯、2番では「誰が唄うか八木節が」のローカル色も加わる伊香保の湯。3番は万座の湯で、4番では「浪花節でもうなろかな」と歌われる水上の湯です。 YouTubeには、1966年(発表年)に制作されたミュージックビデオ?が作られています。結構おちゃめなデュークの4人です。  

 

この「いい湯だな」を不朽のスタンダード・ナンバーに仕立て上げたのが、ザ・ドリフターズ。 いうまでもなく、TBSの♪土曜8時は~、でお馴染み「いい湯だな~ビバノン・ロック」がこの曲を国民歌謡に仕立て上げました。 レコードは1968年6月発売で、発売時は「ズッコケちゃん」のB面だったそうです。では「ビバノン・ロック」のレコード音源です。  

 

次は、ザ・ドリフターズが「輝く!日本レコード大賞」での歌唱シーンです。これは、荒井注さんが在籍時の映像です。  

 

やはりドリフの多様なパフォーマンスを追っかけたくなりますね。年度不詳ですが、「NHK紅白歌合戦」のこの動画では、志村けんさんの時代です。 ところで、永六輔の元歌詞を替え歌にしたのは、上野冷児、松原雅彦のお二人。いずれもドリフのスタッフらしいですが、詳しいことは分かりませんでした。 

 

ただ、松原雅彦さんは、作詞家としていずみ・たくと組んだ曲があるので、いずみさんとはかかわりがああったみたいです。 どんどん脱線していきますよ。次はドリフターズ×BOSSのコラボ作品です。 ザ・ドリフターズが出演した伝説のコントバラエティー番組「ドリフ大爆笑」の映像を基に制作された「 ザ・ドリフターズ 」篇だそうです。  

 

永=いずみコンビによる「いい湯だな」は、ドリフによって「ビバノン・ロック(音頭)」とタイトルを変え、ドリフ人気を象徴する愛唱歌となりました。念のため「ビバノン・ロック」でJASRACのデータベースを調べてみましたが、この曲の著作者は「永六輔(作詞)、いずみたく(作曲)」のみ。つまり、♪ドリフ見たさに~と毎週テレビで流れていたこの曲の使用料は、すべてこのお二人と著作権を保有しているオールスタッフ音楽出版に分配されていたことになります。もしかしたら、デュークのレコード売上による著作権収入より、ドリフの貢献度のほうが圧倒的に大きかったのではないでしょうか。