{作詞・岩谷時子、作編曲・いずみたく} 

 

いずみたくは、演劇の専門学校を卒業したあと、劇団を結成しながら独学で作曲と管弦楽を学び、ある作曲コンクールに応募。その曲が、審査員の芥川也寸志に評価されたそうです。それをきっかけに三木鶏郎の冗談工房に参加して、出会った野坂昭如(後に作家)とともに多くのCMソングを手掛けて成功を収めます。

 

1962年にはCM音楽や歌謡曲を制作する会社、オールスタッフ・プロダクションを設立。 佐良直美をヒットさせた後に、名古屋でスカウトした15歳の今陽子を中心に男性コーラス・グループを組み、「恋の季節」の大ヒットを飛ばしました。すでに加山雄三や越路吹雪の作詞でヒット曲を連発していた岩谷時子が歌詞を書き、オリコンのシングルチャートで17週連続1位を記録、シングル盤は208万枚を売り上げる大ヒットになったそうです。

 

当時大人気だったセルジオ・メンデスとブラジル’66をベースにしサウンドが時代にマッチしたのでしょうね。 それに歌詞の中のキーワード、「青いシャツ」「海を見てたわ」「はだしで 小さな貝の舟 浮かべて泣いたの」、極めつけは2番の「夜明けのコーヒー ふたりで飲もうと」。時代の空気を感じさせる着眼が素晴らしいですね。 ピンキーとキラーズ 1968年(昭和43年)  

 

ちなみに、ピンキーとキラーズというグループ名の出どころは、アメリカのグループ「スパンキー&アワ・ギャング」だそうで、巷間語られるピンキーとフェラス(「マンチェスターとリバブール」のヒットがある)は、逆にピンキーとキラーズからグループ名をとった説が有力です(確証はありませんが)。

 

意外にも、鈴木聖美(鈴木雅之の実姉)がソウルフルに「恋の季節」を歌っています。2011年の発売で、編曲は 小松秀行。 ;

 

これも意外な人の歌唱です。俳優・松田龍平が、最近の映画『昭和歌謡大全集』(2023年)の劇中で歌っています。

 

 女性歌手のレパートリーをカヴァーする名手、徳永英明の歌唱です。ただし、MVは海岸の映像のみですが・・。  

 

かと思えば、五木ひろしの歌う「恋の季節」にも思わず握りこぶしが・・・。   

 

最後は、「アカシアの雨がやむとき」(1960年4月発売)でお馴染みの西田佐知子が、ピンキラの「恋の季節」が大ヒットした翌年の1969年にカヴァーアルバム『恋を唄う』(編曲:早川博二)で歌っています。ややクールで淡々としていますね。残念ながらリンクでしか視聴できませんが(以下のURLをコピーしてリンク欄に貼り付けてください)。 

 

https://www.youtube.com/watch?v=ikNlVToY12s 

 

この曲以外にも、いずみたくは実に数多くのヒット曲を生み出しました。 

 

例えば「希望/岸陽子」、「ベッドで煙草を吸わないで/沢たまき」、「見上げてごらん夜の星を/坂本九」、「女ひとり/デューク・エイセス」など。 しばらくマイブログでは、いずみたく名曲選を続けたいと思います。