{作詞:なかにし礼、作曲:浜口庫之助} 

 

この曲は、すでに2016年にわがアメブロの記事「blowin' in the music」に上げたのですが、とても大きなポイントが抜けていたことに後に気づいてしまいました。 以来、改訂するチャンスを伺っておりましたが、前回の「ブルー・ライト・ヨコハマ」が、この島倉千代子の歌唱に影響を受けたと紹介したことで、改めて改訂版をアップしようと思います。

 

 その抜けたポイントとは、この曲が録音されたのがアメリカはロスアンジェスルだったということです。島倉千代子のデビュー15周年記念(曲は「この世の花」)だったそうで、その頃、超売れっ子作曲家だった浜口庫之助の作曲で、彼から録音は海外で行ったらどうかという提案があったとか。 当時海外録音は珍しく、しかも歌謡曲の録音としてはレアなケース。それと注目すべきは録音のバックを務めたのが、「レッキング・クルー」というロス在住の腕利きスタジオミュージシャンたちだったことです。数年前に彼らのドキュメンタリー映画が日本でも公開されているので、見落としてしまったのはpopfreakの不覚だと悔やんでおりました。 

 

レッキング・クルーの主なメンバー; ・ドラムス:ハル・ブレイン(グループの命名者)、ジム・ゴードン、 ・キーボード:ラリー・ネクテル、レオン・ラッセル、 ・ギター:グレン・キャンベル、ドクター・ジョン、 ・ベース:キャロル・ケイ、ジョン・オズボーンなど 

 

彼らの代表的な演奏曲例: ・(プロデューサー)フィル・スペクターのセッション、「ビー・マイ・ベイビー/ロネッツ」他、 ・モンキーズ「デイドリーム・ビリーバー」他、 ・サイモン&ガーファンクル「明日に架ける橋」のピアノイントロ(ネクテル)、など60~70年代のウエストコーストでの録音に多く参加し、他にシナトラやエルヴィスなどの録音のバックも務めたそうです。

 

 ですから、ご本人のテレビ出演時のバックバンドのサウンドと、レコーディングヴァージョンの違いは歴然です。聴き比べてみたいと思います。 

 

次はレッキング・クルーがバックを務めたロス録音のオリジナルレコード音源です。  

 

いかがでしょう。サウンドがビックリするほど洋楽していますね。コーラスも心なしか、バタ臭く聴こえます。 次は、由紀さおりの安定した歌唱です。「愛のさざなみ」の由紀節も彼女ならではの独特のシンコペーション。編曲は、坂本昌行(V6の方ではなく、「ジュピター/平原綾香」で知られています)で、カヴァーアルバム「VOICE」に収録されています。

 

 

つぎは、なかにし礼作詞の曲を多く歌った奥村チヨの粘っこい歌唱も魅力ですね。「恋の奴隷」もすごかったですが・・。この録音は、1969年となっています。

 

 

演歌の星、坂本冬美は2013年のカヴァー集「Love Songs」で歌っています。クールなでき映えは、編曲の萩田光雄の技でしょうか。

 

ちょっと異色な桑名正博のカヴァーです。大阪のライブハウス「ロイヤルホース」でのギター弾き語りが渋いです。若くして亡くなったのが惜しまれます。

 

 

 

浅丘ルリ子は、作詞家の「なかにし礼と12人の女優たち」という企画に選ばれし「愛のさざなみ」。昔々「夕陽の丘」を石原裕次郎とデュエットしていたころを思い出し懐かしや。2015年に作詩家・作家生活50周年を迎えたなかにし礼も逝去されました。

 

 

最後は浜口庫之助のアルバム「自作自演集」よりご自身の歌唱です。

 

 

作曲家、浜口庫之助は、♪若い娘がアッハーンの「黄色いさくらんぼ」、守屋浩の「僕は泣いちっち」でも驚いたし、「星のフラメンコ」、「愛して愛して愛しちゃったのよ」のムード歌謡から、スパイダーズ「夕陽が泣いている」のGSサウンド、「バラが咲いた」のフォークソングまで、多才な音楽家として活躍する一方で、CMソングにも名作多し。

 

そうだ、「恋の山手線/小林旭」もそうですね。もちろん島倉さんんの「人生いろいろ」もハマクラさんです(作詞は中山大三郎)。 もちろん作詞のなかにし礼さんも膨大な作品を残されました。 このブログでも取り上げていきたいと思います。