アメリカでミュージカルが活況を提し始めて、レコードで聴くポップミュージックの時代に盛んに歌われ、愛好されたスタンダードナンバーの中でも古典中の古典、「マイ・メランコリー・ベイビー」の女性歌手編が本日のテーマです。

 

 1912年にジョージ・ノートンとメイベル・ワトソンが作詞し、アーニー・バーネットが作曲したスウィートなナンバーだと前回にも書きましたが、今から111年前に作られた名曲です。 

 

女性編の最初は、ロッキンチェアレディと異名をとったミルドレッド・ベイリーによる「マイ・メランコリー・ベイビー」です。

 

 

 

エラ・フィッツジェラルドも当然この曲をレパートリーにしていますが、この録音は名手、テディ・ウィルソン(P)の伴奏を得て、さらに磨きがかかっています。

 

 

 

アメリカの女優であり、歌手のレスリー・アガムスが、1965年のエド・サリヴァン・ショウで出演したときの映像です。素敵なシンガーですね。

 

 

 

 

日本ではカヴァーポップスの女王というべき、コニー・フランシスの「マイ・メランコリー・ベイビー」は、珍しくヴァースから歌っています。この人の声は、録音のせいか、スタジオのせいか分かりませんが、どのレコードもキンキンしていて、本当の生の声を聴いてみたいと思っていましたが、いまだに果たせておりません。

 

 

 

さてこの曲の最後の歌唱者には、最もふさわしい表現者かもしれません。ジュディ・ガーランドが映画『スタア誕生』の劇中で歌う「マイ・メランコリー・ベイビー」での素晴らしい歌唱です。その後の彼女の人生を思うと、妙にこの曲のタイトルと符合します。

 

 

 

年々、世界中でストリーミングサービスによる音楽鑑賞が人気となり、CDを通して聴く習慣はなくなりつつあります。ボクもサービスと契約していますが、音が悪くて聴く気になりません。 

 

かくいうpopfreakが最近はアナログLP派として、リマスター&リカット盤などに心躍らせているのは、蓋し必然でしょうか。一時は音楽商品の代表だったCDが、こんなに急速に斜陽音楽グッズになるなんて思いもよりませんでした。嗚呼、こんなに買いためたCDをどうしよう、とメランコリーベイビーな日々です。