菜の花や 月は東に 日は西に (与謝蕪村) 

 

花鳥風月の不得意な(笑)popfreakですが、風情のあるこの句は好きです。季語は「菜の花」ですから、春の句なのでしょう。日は西に沈みかけている時間帯を歌っていて、風景が見えるようです。 

 

さて今日の1曲は、原題を「East of the Sun, West of the Moon」です。蕪村の設定とは逆で、「太陽の東、月の西」というわけですね。 思わず「季節はいつなの?」と聞きたくなりますが、それはさておき、作られたのは1934年(昭和9年)のことです。 

 

ボクにとってこの曲といえば、フランク・シナトラのスウィンギーな歌唱が一番に思い浮かびます。この曲を作ったブルックス・バウマンという方の詳しいことは分かりませんが、どうやら同年のレビューのために書かれたことは確かなようです。 

 

では最初は、一時ボクが熱中していたダイアナ・クラールのピアノ弾き語りで「イースト・オブ・ザ・サン」です。この動画は、ライブハウスではなく、スタジオでのライブ仕立てのミュージックビデオのようです。

 

 

 

次も女性ジャズシンガー、ジェーン・モンハイトが、2011年に小さなライブハウスで小編成で歌ったもの。レス・ポールへのトリビュートライブとのことです。この人のスキャット、とても好きです。

 

 

さてボクのおすすめ、本命のフランク・シナトラの悠然たる歌唱にしびれます。これは彼がかつて在籍していたトミー・ドーシー楽団の御大へのトリビュートアルバム『アイ・リメンバー・トミー』の中の1曲です。トロンボーンのように歌うシナトラの歌唱法は、この楽団在籍時にそのスタイルができたそうです。

 

 

 

コケティッシュでキュートなステイシー・ケントの「イースト・オブ・ザ・サン」。1998年のレコードヴァージョンです。萌えますね。

 

 

 

ジャズヴォーカル盤のコレクターだった頃、入手したカーメン・マクレーのアルバム『アフター・グロウ』に収録されていたのが「イースト・オブ・ザ・サン」。1957年のDECCA盤です。

 

   

 

最後は、トニー・ベネットに敬意を表して。意外と男性シンガーがこの曲を取り上げるケースが多くないのですが、ここでは珍しくヴァースから歌っています。数年前にアルツハイマーによって引退を家族が発表されたのですが、その後お元気なのかなぁ。

 

 

 

梅雨というには余りに荒々しい豪雨の季節に驚いています。月を愛で、太陽に感謝しながら、心静かに日々を送りたいものです。