といっても、ハードロックのバンド特集ではありません。

 

れっきとしたスタンダートナンバーなのですが、確かに検索には苦労します。「ハイウェイ・スター」だの「スモーク・オン・ザ・ウォーター」が頻発して、本題の曲を探すのが大変でした。 「ディープ・パープル」は、ピーター・デ・ローズが作曲した1934年の曲です。翌年にかのポール・ホワイトマンの楽団がオーケストラ用に素晴らしい編曲によってレコード化して、ミッチェル・パリッシュの作詞がついた1939年になって、ラリー・クリントン楽団が、ビー・ウェインの歌唱で録音して人気を得たそうです。

 

 まずは歌なしのポール・ホワイトマン楽団の演奏です。30年代に「キング・オブ・ジャズ」と呼ばれた当時超人気のバンドリーダーで、ジョージ・ガーシュウィンにオーケストラジャズの作曲を依頼したことで、「ラプソディ・イン・ブルー」ができたことはよく知られています。 最初はポール・ホワイトマン楽団の「ディープ・パープル」です。オーケストレーションがドラマティックで、リズム変化も多彩です。1934年録音のビクター盤です。

 

 

 

次は歌詞が付いた歌ものです。ビー・ウェインの歌唱でラリー・クリントン楽団の演奏です。録音は1939年です。  

 

これと同じ年に、当時人気絶頂のビング・クロスビーが録音しています。とろけるような歌声ですね。これも1939年です。  

 

この曲、内容は「庭の垣根に深緑のとばりが下ちる頃、君がボクの元に帰ってくる。深紫色の夢の中で、ボクたちは会い続ける」という情景描写がステキです。 サラ・ヴォーンのスロウでメロウな歌唱がこの曲のイメージにピッタリ。この「ディープ・パープル」は1951の録音です。

 

 

 

ちょっと二枚目半的なディーン・マーティンが、いかに上手いシンガーであるかを証明しているような歌唱です。しびれます。

 

 

 

次は王道のスタンダードな歌唱です。「青いカナリア」のダイナ・ショアは端正に歌います。 

 

 

 

ドゥーワップのグループ、ドミノズもソフトなコーラスで仕上げています。これは1951の録音です。

 

 

 

最後は、ボクの大好きなジャネット・サイデルの中でも、一番好きなアルバム『マナクーラの月』より「ディープ・パープル」。このアルバムは全曲ウクレレバックで歌っていて、ほっこりするお薦めのアルバムです。でもジャネットさんは、2017年に亡くなったのです。残念でした。

 

 

 

ついにこの1934年の曲「ディープ・パープル」では、ライヴ動画が一本も見つけられませんでした。ますます時代を遡るpopfreakの一人旅状態です。

 

 古い曲には、いい曲が多いのですよと独り言。