70年代に人気を誇ったビッグバンド、サド・ジョーンズ=メル・ルイス・ジャズ・オーケストラ。その一方の雄、サド・ジョーンズはトランペッター。 その彼が1969年に作曲した(ことになっている)のが「ア・チャイルド・イズ・ボーン(A Child Is Born)」です。

 

スロウな心に沁みるメロディが印象深く、後にピアニストのアレックス・ワイルダーが歌詞をつけたそうです。 

 

でも実は作曲したのは、サド=メル楽団でピアニストだったローランド・ハナという説もあるらしいのですが、なにしろ当事者しか分からない事実関係ですから、深追いするのは止めて静かに聴いたみたいと思います。 

 

最初はビル・エヴァンスとトニー・ベネットで「ア・チャイルド・イズ・ボーン」。ボクもこのコンビのCD(ファンタジー盤)は持っているのですが、入っていませんでした。

 

 

 

お次は、カーメン・マクレエです。この人のトーチソング(失恋歌)は絶品で、文字通り「トーチ!」というアルバムをボクは愛聴していました。この心に沁みるナンバーもとても素晴らしいです。

 

 

 

意外とこの曲を録音しているシンガーは余り多くないようで、探すのに苦労しましたが、ダイアン・リーヴスの「ア・チャイルド・イズ・ボーン」もいい感じです。

 

 

 

ボクがこの曲を一番多く聴いたのは、オスカー・ピーターソンとシンガーズ・アンリミテッドのアルバム「In Tune」に含まれていたからです。耳の石膏をジャケットにあしらった控えめなアルバム(当時はLP)ですが、 MPSの録音の素晴らしさとコーラスハーモニーの素晴らしさにボクは何年も愛聴していました。ここでは歌詞は歌っていませんが、この曲にピッタリの多重ハミング・コーラスです。 最初はピーターソンのピアノ演奏が1分30秒ほどあってからハミングが聴こえてきます。

 

 

 

最近、ボクはCDで音楽を聴く時間が減っています。流行りのサブスクでいろんな音楽をつまみ食いしているのですが、ちっとも心に残らず、身にもつきません。まるで右から左に抜けさる当世流行り歌(笑)。 こういう心に沁みる歌って、これからも残っていくのかなと不安に思うpopfreakです。