popfreakブログを14年も続けていて、こんな名曲を忘れていたとは・・。 

 

「スウィート・ジョージア・ブラウン」とくれば、反射的に思い出す映像があります。1958年に行われた『ニューポートジャズフェスティヴァル』でのアニタ・オデイが歌ったシーンです。 このフェスは、写真家のバート・スターンがフィルムで映画撮影をして、『真夏の夜のジャズ(Jazz on A SUMMER'S DAY)』というタイトルで上映されたもので、映画公開は翌年の1959年でした。ちょうど翌1960年からのファンキージャズブーム(当時はモダンジャズと呼ばれていました)を先導した感がありました。 

 

もちろんボクはまだ子供過ぎてその存在を知らず、後にジャズ好きになってから探してみましたが、名画座での上映などもありませんでした。ようやくVHDで発売されて買った思い出の作品です。 さて中でもボクの一番好きなのが、アニタ・オデイのこの曲「スウィート・ジョージア・ブラウン」と続く「Tea For Two」のシーンです。 

 

パーカッションだけのヴァースから、いきなりアニタ節に代わるところが、もう何度聴いてもたまりません。 「スウィート・ジョージア・ブラウン」は、4分30秒まで。そのあとが続いていて倍速の「二人でお茶を」。彼女のファッションにもしびれました。また観客の自然な様子にも刺激を受けました。もう何度観ても最高です!!  

 

次は、エラ・フィッツジェラルドが、1966年にエリントン楽団+ジミー・ジョーンズ・トリオをバックに歌ったモノクロ動画です。こちらもゾクゾクしびれますね。これはボクも初めて観る動画です。YouTubeには何でもありですね。ずるいぞ!  

 

次は、つい先日の28日87歳で亡くなった元祖ロックンローラーの一人、ジェリー・リー・ルイス(「火の玉ロック」が熱かったですね)が1983年にロンドンで行ったライブ動画です。なかなかダンディですが、間奏の足も使ったピアノアドリブに度肝を抜かれます。後のエルトン・ジョにお手本を示すプレイ(笑)です。

 

 

さて珍しい音源です。ジェリー・リー・ルイスの影響を大きく受けたイギリスのロッカー、トニー・シェリダンとビートブラザーズの「スウィート・ジョージア・ブラウン」。ビートブラザーズとは、ビートルズのメンバー(リンゴが加入する以前ですが)をそのような名称で自らのバックバンドとして録音していた時期(1961年か1962年)に当たります。これはハンブルグで行われた録音、いわゆるポリドール・セッションと呼ばれるものです。

 

王道のシンガーに戻って、ビング・クロスビーの歌唱です。当時のビックバンドの歌唱形式に従って2番から歌い、3番は演奏、その後また歌うという構成になっています。おそらく初期のDECCA録音だと思ってLP棚を探して、30年代のDECCA2枚組を探しましたが、この曲は入っていませんでした。

 

 

最後は、黒人女性歌手の先鞭を切った勇気あるシンガー、エセル・ウォーターズの1925年録音盤。エヴォニー・フォアとの録音ですが、音源が古くてサウンドがキンキンしていますが、貴重な時代の証言です。  

 

おまけです。アニタ・オデイが1963年12月30日、来日時にTBSスタジオで宮間利之の楽団と猪俣猛さんをバックに歌っている貴重な映像です。『真夏の夜のジャズ』の6年ほど前になります。

 

 

「スウィート・ジョージア・ブラウン」は、1920~30年代にかけてダンスバンドとして人気だったベン・バーニー楽団のリーダー他3人によって1925年に作られたスタンダード曲。

 

 日本でいうと大正末期です。アメリカのジャズの黎明期が大正ロマンにつながったかどうか、浅学のpopfreakにはわかりかねますが、この曲ができてそろそろ100年が経とうとしていることは確かです。