マイブログのお題を探して深海まで来たpopfreakです(笑)。

 

やはり古いこの曲「Between The Devil And The Deep Blue Sea」は、1931年に世に出たナンバーで、ハロルド・アーレンの作曲、テッド・ケラーの作詞によるものです。ミュージカルではなく、ナイトクラブ・レヴューという形式がこの時代にはあったということも初めて知りました。

 

公演の会場はコットン・クラブで演目のタイトルは『リズマニア』というのだそうです。ちょっと、観たい衝動にかられますね。そのなかでもこの曲は人気を呼び、多くのカヴァー録音や演奏が行われました。

 

 歌を聴く前に、この謎のタイトルの意味ですね。「悪魔と深海の間」とは、恋した気分は「絶体絶命」だということらしいです。その深刻なタイトルの割には切実感のないユーモラスな歌ですから、気軽に歌ってみたいと思わせるのでしょうか(笑)。悪魔といえば、「Old Devil Moon」という曲もありましたね。

 

 さてまずは、古い曲といった割には新しいシンガーになるのかな、ビートルズのメンバーだったジョージ・ハリソン(すでに古いでしょうか?popfreakにとっては充分若いと思うのですが)が、6弦ウクレレを弾きながら歌ってバンドでが演奏する楽しいシャッフルリズムのヴァージョンです。 「Between The Devil & The Deep Blue Sea」。悪魔も深海も全く感じさせないノンビリ感に和みます。  

 

さてこのあたりからリアルな時代感溢れる歌が登場します。この曲が生まれた翌年1932年に、ボスウェル・シスターズがトミー・ドーシー(tb)やジミー・ドーシー(tp)兄弟などをバックに歌った「悪魔と深海」。エンディングが凝っていますので、途中でパスせずにお聴きください。  

 

映画『ブルース・ブラザーズ』で♪ハイディ、ハイディホー~の怪演によって一躍若い世代にその名を知られるに至ったキャブ・キャロウェイもこの曲を歌っています。途中でお約束の♪ハイディ、ハイディホーのようなスキャットが聴きとれまが、「ミニー・ザ・ムーチー」は1931年の録音だそうですから、この曲を歌っている内にどうやら吊られて歌ったみたいです(笑)。  

 

さて第二次大戦の終戦の年(1945年)にペギー・リーが「Between The Devil And The Deep Blue Sea」を録音しています。アメリカのエンターテイメント界では、まるで戦争は関係なかったかのようですね。  

 

次はちょっと珍しいので選んでみました。アニー・ロス(ex.ランバート、ヘンドリックス&ロス)が、バリトンサックスの名手ジェリー・マリガンのクァルテットをバックに録音しています。1958年録音のブルーノート盤です。ボクはこの方のソロも好きなのです。  

 

さすがにカヴァー録音は多く、カーメン・マックレーもボクの好きなアルバム『After Glow』に収録しています。1957年の録音です。  

 

このナンバーを歌う女性歌手の中では最若手のジェーン・モンハイトが2010年にサンディエゴのクラブで歌っています。数少ない動画です(笑)。この方もマイ・フェヴァリット・シンガーで、アメリカの女性ジャズシンガーの正統派とでもいいましょうか。

 

次もボクの好きなコニー・エヴィンソンの「Between The Devil And The Deep Blue Sea」です。ジャズヴォーカル好きのボクは、一時期に新しい女性ジャズ歌手のアルバムを店頭で見つけてはせっせと買っていた時期がありましたが、いずれも一枚だけ買ってお仕舞でした。ボクが飽きやすいのか、レコード会社が続けて発売しないせいなのかは分かりませんが・・。  

 

今日の締めは、ボクも初めて名前を聞くグループ、リングマスターズの無伴奏コーラスのステージの歌唱です。男声4人組のアカペラコーラスグループ、といえばアメリカのコーラス界では定番の『バーバーショップコンテスト』で2013年に優勝したグループだそうです。  

 

以前、georgesandさんにもコメントをいただいておりましたが、ペリー・コモのようにアメリカには散髪屋さん出身のシンガーもいたそうですし、また散髪屋さんの父親と息子3人でコーラスグループを結成したミルス・ブラザーズのようなケースもありました。 

 

その後、別に散髪屋さん出身でなくても4人のコーラスグループをバーバーショプクァルテットというジャンル名で呼ばれた時期があったようです。ボクはペリー・コモが大好きで、ミルス・ブラザーズはベイシー御大とのアルバムを長く愛聴しておりました。 

 

ちょっと関係ない話で恐縮ですが、ボクは子供の頃は散髪屋さんに行くのが嫌で嫌でタマリマセンでした。近所のお店に歌の上手い理容師さんが歌を歌いながらチョキチョキしてくれたら楽しかったのに(笑)、と残念に思ったりしています。