1972年にスティーヴィ・ワンダーが発売した名盤『トーキング・ブック』に収録された「迷信(原題:Superstition)は、もともとイギリスのギタリスト、ジェフ・ベックからの依頼で作曲したものだというのが定説です。
ところがジェフ・ベックのグループでの録音が遅れて、しびれを切らしたスティーヴィが先にこの曲を録音(一説には、モータウンレコードがシングルにしようと説得)したのですが、結果的にスティーヴィのシングルが先行してジェフ・ベックを怒らせる結果となったそうです。
でも別の資料では、せっかくスティーヴィが曲を提供したのにジェフ・ベックの録音が遅れたため、スティーヴィが怒って勝手に録音して発売した説もあります。まあ、結果的にはどっちでもいい話ですね。ポップス史上に残る名曲なんですから(笑)。
さてボクはCDしか持っていませんが、ジェフ・ベック、ティム・ボガート(b)&カーマイン・アピス(ds)(このトリオを3人の頭文字をとって「B,B&A(ベック、ボガート&アピス)」という)の1973年ライヴ映像がありました。貴重な映像です。YouTubeにはホントに何でもありですね。
当然つぎはこの曲を作ったスティーヴィ・ワンダーの歌唱映像です。1974年となっています。なにしろ「迷信」といえば80年代にカーツェルを弾くスティーヴィの印象が強いですが、この頃はカーツェルはまだ発売されていません。ただただリズム感が素晴らしいナンバーですね。
ギタリストをも啓発した「迷信」。スティーヴィー・レイ・ヴォーンも演奏しています。素晴らしくカッコいいです。
さて、この曲にまつわる因縁の二人(というほどでもありませんが)、スティーヴィとジェフ・ベックが第25回ホール・オブ・フェイムのステージで共演しています。見ものです。2009年だそうです。
日本人アーティストを探したところ、やはりギタリストのCharがTV出演の歌唱演奏の映像がありました。これまためちゃかっこいい。ちなみに一緒に演奏しているメンバーは、どうやらティム・ボガート(b)とカーマイン・アピス(ds)のようです。つまりC(チャー),B&Aということですね。女性のヴォーカリストは田村直美さんかな?田村さんならPearlでこのお二人と共演しているので、間違いないと思います。違っていたらゴメンなさい。
ソウルミュージックのスティーヴィが、ロックギタリストに書いた曲が他のロックギタリストにも波及した珍しい例です。
それだけ、曲作りの基本構成やメロディが魅力的だということでしょう。スティーヴィの才気溢れる名曲の一つです。