1954年ニコラス・レイ監督作品『大砂塵』の主題歌としてペギー・リーの歌で一世を風靡したナンバー「ジャニー・ギター」。
作詞はペギー自身で、作曲は映画音楽で名曲を多く残したヴィクター・ヤング。 主演は、戦前派の女優として活躍してきたジョーン・クロフォードで、彼女にとってこれは唯一の西部劇なんだそうです。
最初の動画は、映画のシーン(2:15~)に合せてペギー・リーの歌が入るエンディング場面と、その後レコードと映画スティールを合わせて編集してあります(歌のみは2:54~)。 ペギー・リーの名唱「ジャニー・ギター」です。
珍しいことにペリー・リーのMV的な動画(フィルム)でフル・ヴァージョンを歌っているのが見つかりました。録画年度は不明ですが、ペギーは1920年の生まれですから、映画公開時が30代半ばということですね。
ちなみにボクが一時LPで愛聴していた彼女のアルバム『ブラック・コーヒー』が1953年の録音ですから、同じころの録音ということになります。素晴らしい。
ペギーとくればヘレン・メリルに録音がないかと探したところ、見つかりました。伴奏は渡辺貞夫クインテット&ストリングス、なんと1967年3月4度目の来日時に東京で録音したアルバム『ボサ・ノヴァ・イン・トーキョー』(ビクター)に収録されています。 聴いてみると、曲の超スローテンポでサックスもフルートも聴こえてきません。ということはこの曲はこのアルバムのもう一人の編曲者、前田憲男のアレンジだったのかもしれません。
ボクはそれより、このアルバムに収録されている「夢は夜開く」を聴いてみたくなりました。もっとも「圭子の夢は夜開く」はこの時点ではまだ発売されておらず(3年後です)、歌唱の参考にしたのは園まりヴァージョンだったのかもしれません。探してみよう!
イタリア代表では、ジリオラ・チンクエッティがイタリア語でレコード発売しています。語感がなかなかステキです。
ここで日本人歌手のカヴァーを3つ。まずは「クワイ河マーチ」から洋楽カヴァーがお得意の伊東ゆかり。ただし時期は少し遅く1970年の録音だそうです。
次は今陽子とクラシックギターの荘村清志のコンビの「ジャニー・ギター」。歌もギター伴奏も素晴らしい。
日本人カヴァーの最後は小林 旭御大。お得意のハイトーンで歌う歌詞がまたナイス。いかなるときにもアキラのスタイルを崩さないのもお見事。
最後は、イギリスのバンド、シャドウズによるカヴァーですが、60年代にしちゃあ、ギターサウンドが良すぎるのでちょっと確証が持てません。でもYouTubeのクレジットを信じて。
「ジャニー・ギター」は映画が残した名曲の一つでしょう。それにしてもヴィクター・ヤングのメロディ作りのセンスに脱帽です。
他にも彼は「星影のステラ」「ラヴレター」「My Foolish Heart」それに 「80日間世界一周」など、数えきれない名曲を残しました。仕事をし過ぎたのか、57歳で早逝されたのが悔やまれます。