長くアメブロをやっていながら、こんな有名曲を記事にしていなかったとは思ってもいませんでした。

 

♪カモナ・マイ・ハウスといえば、江利チエミさんのお得意のレパートリーでしたね。 江利チエミが主演した日活映画『ジャズ娘誕生』(1957年)の動画がYouTubeに上がっていました。60年以上前とは思えない鮮明な映像です。映画の作りが、MGM映画っぽいですよね。  

 

もとはと言えば、この歌手がオリジナルヒットさせたナンバー。大人のスタンダード歌手というポジションだったと思いますが、聞くところによれば、ローズマリー・クルーニーは最初にこの曲を歌うように言われたときに、この歌が好きになれずに嫌がったとのこと。

 

確かにこの歌詞の意味するところや、あまりにリズミックな曲想から考えると、ロージーさん、さもありなん。でもレコード出たら初のミリオンヒットだったそうで、何が売れるか分かりませんね。音楽は水モンといわれる所以でしょう。

 

 ローズマリー・クルーニーの映画のような作りの動画です。映像元が不鮮明ですが、美貌は伝わってきます。なおこの動画に、ジョージの母などと間違った記載がありますのでお間違いなきよう。ジョージ・クルーニーは、甥だそうですから。  

 

ローズマリー・クルーニーの来日コンサートの映像もありました。 AUREXジャズフェス1983年です。思えば東芝もレコード会社(東芝音楽工業、後に東芝EMI)を有し、オーディオ機器(AUREXブランド)にも力を入れていた時代もありました。いまや昔の物語です。  

 

さて、ロージーがこの曲を嫌がった理由を、この人ジュリー・ロンドンは見事な持ち味で表現しています。

 

♪家へおいでよ わたしのお家、あなたにあげましょ キャンディ~から始まって、杏子だの李だの、果物一杯あげましょうって、ちょっとエロくないですかね。「黄色いさくらんぼ」的な。

 

 しかも最後にはEverythingですからね、あげちゃうの。これを当時のPTAが聞いて問題にしなかったのでしょうか。百恵ちゃんが歌った♪あなたに女の子の一番大切なものをあげるわ~と対比するのもなんですが(笑)。

 

ジュリー・ロンドンにこんなにセクシーに歌われて兆発を受けたなら、お誘いを断る訳にはまいりますまい(汗)。  

 

いきなりですが、江利チエミのもう1曲のヒット「ウスクダラ」はボクには意味不明でしたが、そのオリジナルヒットを歌ったアーサー・キット。なんとも不可思議な歌い回しで「家へおいでよ」の日本語歌詞を操っています。

 

1967年のテレビの映像ですが、東洋趣味が個性的です。しばらくこの人の名前を忘れていましたが、「ショージョージ」(「証城寺の狸囃子」)もこの人の歌唱ならではのヒット曲でした。  

 

ジャズ系ゴスペル歌手のデラ・リースは、珍しいラテン風アレンジでこの曲を歌っています。  

 

最後は白人女性歌手のケイ・スターの「家へおいでよ」。ボクはこの人の筋の通った歌唱(どんなん?)が好きで、ウチにも数枚あるなかでベイシー楽団との共演アルバムが気にってました。

 

ところでこのアレンジは誰なのでしょうか?最高ですね。転調後も盛り上がって実力のほどが分かろうというもの。これはロージーのヒットを受けて1951年にシングルとして発売されました(もちろんSP盤の時代です)。  

 

江利チエミが日本語でカ・モ・ナ・マイ・ハ・ウ・スと滑舌よく歌わなかったら、この曲は日本ではあそこまで人気にはならなかったのではないでしょうか。

 

 また雪村いづみが「青いカナリヤ」をカヴァーしなかったら、ダイナ・ショアも知られざるアメリカの一歌手に過ぎなかったかもしれません。

 

 ポップスが日本で花開いた時代、先日亡くなった弘田三枝子もカヴァーポップスで大いに活躍していました。

 

アメリカの音楽や映画が憧れの対象だった世代の方には、忘れ難い1曲です。