2019年大晦日の紅白歌合戦の長丁場のなかで、ボクが最も感動したのは松任谷由実「ノーサイド」でした。
年々派手になる過剰演出に少々ウンザリしながらも、長く待っていた甲斐がありました。W杯で活躍したラグビー選手たちを前に、ユーミンは「ノーサイド」を歌いました。しかも松任谷正隆のフェンダーローズをバックにあのイントロが流れて・・・。
もちろん紅白の映像はYouTubeにはありませんが、松任谷由実の苗場サーフ&スノウでのコンサート(2016年)映像がありました。これもまもなく削除される運命だとは思いますが、何度聴いても素晴らしい歌詞と熱しない歌唱が感動を呼びます。
そもそもこの曲は、18歳の若いシンガーのプロデュースを買って出た松任谷正隆のもとで、ユーミンが作詞・作曲した曲でした。
その麗美のデビューアルバム、『REIMY』(1984年1月発売)の3曲目に収録されています。MVもYouTubeには残っていました。
他にもいくつかカヴァー録音はありますが、ユーミン本人のセルフカヴァーが1984年の12月に『ノーサイド』とアルバムタイトルを飾って発売されています。
一昨日の紅白で歌い終わったユーミンは「この曲にチャンスを与えてくれて、ありがとうございます」と日本代表のメンバーにお礼を述べた感動の一幕。35年前の曲を始めてテレビで歌ったことになります。
ユーミンはこの曲を、高校ラグビーをテレビで見ていて着想したことは広く知られています。また長い年月を経て今年のラグビー・ワールドカップの日本チームの影の力となったことは、メンバー代表の田中選手の「みなさんに支えられました。この曲も聞けて」という言葉に示されていると思えました。
ボクも当時麗美のヴァージョンを聴いていたものとして、まさかこの時期にこの曲を、しかも紅白で聴けるとは思っていませんでした。
録画で見直してなお、感慨深いものがあります。長く音楽を聴いてきて良かった、と思うのはこんな時です。