1970年の前後、アメリカColumbiaレコードは日本でSonyと合弁会社CBS-Sonyを設立して新しいロックのキャンペーンを推し進めたなかで注目を集めたバンドが、ブラスロックのブラッド、スウェット、アンド、ティアーズでした。ボクは2枚目のアルバムを買って愛聴していました。そのパワフルなサウンドとヴォーカルの迫力にビックリ。彼らの代表曲「スピニング・ホイール」が大好きでした。
確かその頃設立間もないCBS-Sonyは、これら新しいバンドと新しいプロデューサー、アル・クーパーやマイク・ブルームフィールドを大きく打ちだしてロック新時代をアピールしているようでした。
同時にブラスロックバンドのシカゴ(最初の名前は、シカゴ・トランジット・オーソリティ)もデビューして、ブラス・ロック対決の様相を呈していました。流行りものに浮かれ易いpopfreakも足元おぼつかず、シカゴのライブアルバムも買って聴いていましたので、周りはキットうるさいことだったでしょう(笑)。
BS&Tの初来日の武道館にも行きました。まだ武道館でのロックコンサートは数少なく、ビートルズ(1966年)、ウォーカー・ブラザーズ(1968年)、モンキーズ(1968年)に次いだのが1971年のBS&Tだったようです(Wikiにはシカゴの武道館公演は書いてありますが、BS&Tは記述なし)。
もちろんボクも初武道館でしたが、スタンティングの習慣がなかった時代にボクが興奮したのは、BS&Tのコンサートは途中で観客が総立ちとなった初めての武道館公演だったことです。今も鮮明に記憶しています。
あの時のヴォーカル、デヴィッド・クレイトン・トーマスのド迫力の声量のある力歌には魂を奪われた気がしました。
さてそのBlood Sweat & Tearsの代表曲、「スピニング・ホイール」1969年のライヴです。
こんなに有名でヒットした曲でしたが、YouTubeに上がっているカヴァー映像は極めて少なく、その中の一人サミー・デヴィスJr.です。さすがのサミー、素晴らしい。
なぜカヴァーが少ないかが分かりました。声量がないとこの歌は歌えないからです(笑)。女性で声量豊かなシャリー・バッシーの「スピニング・ホイール」に心射抜かれます。
残念ながら個人的な思い出は多かったのに、この曲のカヴァーがこんなに少なくて残念至極です。
しかも「BST」で検索すると、今は「BTS」がトップに並びます。BTSとは韓国の男性グループで「防弾少年団」が発足時の正式名称。アメリカのビルボードで1位を獲得したり、国連でスピーチしたりと大活躍のK-POPのイケメンたちです。
時代は「BST」から「BTS」へ。なんちゃって今や「BST」の知名度は皆無となりにけり。SとTの間に「&」を入れて検索しないと出てきませんわ。トホホ。