ビルボードHot100の本(写真)を見ていて、1990年代を通しての第1位の楽曲にまったく聴き覚えがないことに気づきました。しかも作詞・作曲はヒットメイカーのダイアン・ウォーレン。ダイアン・ウォーレンといえばアメリカのヒットメイカーで、作った曲は1000曲を超えるそうです。


中で日本では、「ミス・ア・シング/エアロスミス」(1998年)や「アン-ブレイク・マイ・ハート/トニ・ブラクストン」(1996年)などが広く知られるところでしょうか。

 

それに映画音楽もたくさん手掛けていて、アカデミー音楽賞にも多くノミネートされているのですが、残念ながら受賞作品はなし。またアメリカの音楽賞の代表であるグラミー賞も同様にノミネートは多数あるのですが、セリーヌ・ディオンが歌った「ビコース・ユー・ラヴド・ミー」(1996年)だけがグラミー賞 最優秀映画テレビ視聴覚主題歌賞を受賞している音楽作家。

 

そのダイアン・ウォーレンが作って、若手カントリーシンガーのリアン・ライムスが歌った「ハウ・ドゥ・アイ・リヴ」は映画の主題歌として作られたのですが、彼女のヴァージョンは映画には使われず、ポップス歌手のトリーシャ・イヤウッドのものが使われたそうです。

 

ビルボードHot100では、そのリアン・ライムスが歌ったヴァージョンが90年代の10年を通してのナンバー・ワン曲になっています。10年間のナンバー・ワンってすごいことだと思うのですが、意外に90年代の日本では洋楽曲はJ-POPの陰に隠れていたからでしょうか、ボクも記事にするために初めて聴いたのでした。メロディも歌詞もとても素晴らしいナンバーです。

 

リアン・ライムスの歌唱です。彼女は1982年の生まれで、レコード・デビューが13歳だったことから話題になりました。この「ハウ・ドゥ・アイ・リヴ」は1997年ですから、まだ14~5歳のローティンだったわけですね。まるでアメリカの美空ひばりみたいですね(って、例えが昭和ですなぁ)。あるいはアメリカでは、まるでジュディ・ガーランドみたい、って言うのかな(笑)。『オズの魔法使い』(1939年)で「虹の彼方に」を歌ったのは16歳でしたからね。

 


この曲が作られる元になったのは映画『コンエア』で、主題歌として発注されたんだそうです。映画で使われたといわれる(映画を観ていないので確認しておりませんが)トリーシャ・イヤウッドのヴァージョンです。

 


ダイアン・ウォーレンのゆかりでしょうか、トニ・ブラクストンとトリーシャ・イヤウッドがデュエット・ライヴで「ハウ・ドゥ・アイ・リヴ」を歌っています。ホントにいい曲だと思いませんか?

 

 

アメリカではビルボードHot100に69週もランクインするという記録を作った名曲だと意気込んではみたものの、YouTubeではこの程度の映像しか見つけられませんでした。残念です。

 

ちなみに10年度ごとのベスト・ワン・ソングを抜き出してみたいと思います。

 

1960年代:ツイストNo.1/チャビー・チェッカー
1970年代:恋するデビー(原題:You Light Up My Life)/デビー・ブーン
1980年代:フィジカル/オリヴィア・ニュートン・ジョン
1990年代:ハウ・ドゥ・アイ・リヴ/リアン・ライムス
2000年代:ウィ・ビロング・トゥゲザー/マライア・キャリー(これも意外!世紀をまたいでから、CDビジネスが凋落して音楽配信にシフトチェンジしたからでしょうか)

 

いかがですか?でも1955年から始まったビルボードHot100(現行チャート集計方式による)なので、1950年代のまとめ集計リストはありませんでした。それにしても「恋するデビー」ってタイトル、しらけますよね。

 

こんな邦題を付けてしまった罪は重いですねぇ、とこの「ハウ・ドゥ・アイ・リヴ」のカヴァー録音が少ないことへの八つ当たり(笑)。


【余談~この曲にまつわる謎】

実は90年代を代表する曲なのにあまりにカヴァーが少ないので、YouTubeを検索しまくっているときに、エルヴィス・プレスリーの歌う「ハウ・ドゥ・アイ・リヴ」が出てきたのです。キャー。

 

エルヴィスが亡くなったのは、1977年の8月16日でした(ボクはその日、実家の京都から新幹線に乗る予定でした。その日は大文字の送り火の日だったのを妙に覚えています)。

 

ダイアン・ウォーレンがこの曲を作ったのが1997年。一瞬、亡くなってから20年後に送り火とともにエルヴィスが録音のためにお精霊さんとなって戻ってきたのか?とドッキリしました。冗談ですけどね。

 

どうやらこの声の主は、エルヴィスのそっくりさん、ジミー・エリスのものではないかというのがこの謎のオチのようですが、それにしても良く似ていますね。エルヴィスが歌ってもこういう歌い方をするだろうな、という特徴をキャッチしていて見事です。

 

 

エルヴィス研究家のご見解をうかがいたいものです。