新春popfreakブログの第一号記事です。引き続き週イチペースですが、なんとか年を越しました。
今日のお題は「She's (He's) Funny That Way」で、作られたのは1927年。オリジナル盤が1929年(昭和でいうと4年)にジーン・オースティンがヒットさせたとあります。
ジーン・オースティンといえば♪狭いながらも楽しい我が家~と、かの堀内敬三が訳詩(というより作詞)して、昭和ジャズソングの国内初ヒットとなった「私の青空(原題:My Blue Heaven)」のオリジナル歌唱者でもあるので、日本でお馴染みの歌手です。
ただ主格に厳格なアメリカ音楽界にあっては、歌手の性別によって「He's」になったり「She's」になったりする代表曲の一つ。日本には“クロスジェンダー・パフォーマンス”という見事に性別を超越する歌唱法がありますので、アメリカがなぜ男女の性別にこだわるのか、理解に苦しみますよね(笑)。
それともう一つ。マイブログでは古色蒼然たる歌唱が多すぎるために、popfreakって実は100歳くらいの仙人みたいな人じゃないかと思われるのも不本意なので、こいつは新春から若さピチピチ(これまた死語ですかね、苦笑)女性歌手にご登場願いましょう。
アンドレア・モティスというスペインの歌手で、トランペットも演奏する期待の星。そもそもクインシー・ジョーンズが注目したことがきっかけで、アメリカのインパルス・レーベルからアルバムを2017年に発売した人です。 女チェット・ベイカーってところでしょうか、と言いながら、こういうモノいいもセクハラに近いかと反省。
次は安心安全・一家に一枚のビング・クロスビーのヴァージョンです。ここではヴァースより歌われています。さすがのビンクロ。録音は1955年だそうです。
3番目はこの曲をビリー・ホリデイが歌ったヴァージョンで1944年の録音。ビリー・ホリデイはこの曲が好きらしく、何回もこの曲を録音しています。彼女独特の歌詞をヒッカケて歌う技法に向いているのでしょうか?
次は1952年のClef(ノーマン・グランツのレーベル)での録音。コモドアから8年くらい経過しているので、ここでは成熟した大人の女の哀感を漂わせています(なんて、ボクの勝手な思い込みでしょうか?)。ヴァースから味わいが深いです。
次はヘレン・オコーネル、30年代からビッグバンドのシンガーとして活躍した人。録音時期は特定されていませんが、こういう王道の歌い方が好きなのです、ボクは。
大発見。珍しく動画でジューン・クリスティの「He's Funny That Way」を見つけて嬉しいです。こいつぁー春から縁起がいいわい~、と思わず。これはテレビ出演時の映像かと思いましたが、なんでもアメリカでは1941年にテレビ放送が始まっているそうで、この映像は1950年とクレジットされています。
しかしジューンのファンのボクが彼女の歌い方から判断すると、ボクの大愛聴盤『サムシング・クール』(1954年)に近い時期だと思われます。大きく口を開ける歌唱がステキすぎます。それにバックのドラムレスの編成もナイスです。
やはり御大は外せません。フランク・シナトラ、1951年の映画『Meet Danny Wilson』から(だそうです)。
この方の全力歌唱にもしびれます。ライザ・ミネリもヴァースから。時に1986年、ロンドン・パラディウム劇場でのライブですが、未DVD化なんだそうです。素晴らしいパフォーマンスですね。
最後はこの曲を最初に広めたジーン・オースティンの1928年11月録音盤です。ヒットしたのが翌年にかけて、ということなのでしょう。男性歌手なのでタイトルは"She's Funny That Way"、やはり ヴァースから歌っています。
この曲はインストヴァージョンも多数録音がありますが、ウタもの主義のマイブログでは、ウタに徹します。今年もウタものマイブログをよろしくお願いします。