(写真は、マイコレクション。歌詞カードの写真も若々しい)

popfreakのブログは取り上げる曲はスタンダード・ナンバーといえば聞こえがいいけど、実は古い曲が多くてうんざりしておられる方が多いのではないか、と若ぶってみました(笑)。

 

「えっ、ビリー・ジョエルが若返りですか?」などと突っ込まれそうな気配ですが、臆せずチャレンジしてみますね。

 

が、結論としてはシンガー・ソングライターの時代となってからは、その創唱者のイメージが強いせいか(演奏ものはたくさんありますが)、歌によるカヴァージョージョンは多くないことに気づかされました。

 

ティンパンアレイの時代からプロの作家として活躍していたキャロル・キングなどの曲にはさすがに多くのカヴァーが録音・演奏されていますが、70年代に入ってからのSSWの作品のカヴァーはとても少なくなっていることに今更ながら驚いてます。

 

このビリー・ジョエルも例外ではありませんでした。「ストレンジャー」のように口笛から始まりテンポが変わっていくような展開では、プロ・シンガーといえどもカヴァーで自分の表現を展開する余地が少ないのでしょうか。

 

なかでは多かったのが、この「素顔のままで(原題:Just The Way You Are)」でした。


ボクがビリー・ジョエルのアルバム『The Strangers』を買ったのが1978年、国内盤がリリースされてすぐでした。それに初来日コンサートを観たのが大阪の厚生年金会館だったことを思いだします。

 

(確か)ジーンズにジャケットを着て、足元はスニーカーだったことに驚きました。立ってピアノを弾いたり、派手に動き回ったりの衝撃的なステージに魅了されました。このエネルギーはどこから来るのか、当時も今も(笑)あまりエネルギッシュじゃないボクにはとまどいのコンサートでしたが、曲が良くて、歌が強くて、心にザクザク刺さってきました。いまだに覚えています。当時のライヴ映像です。

 

 


カヴァーが意外に多くない「素顔のままで」をバリー・ホワイトが、低音の魅力でせまっています。この人といえば「愛のテーマ」同様、イントロが長~~いのです(笑)。

 

 

ジャズっぽいアレンジも似合っているこの曲を、サリナ・ジョーンズが2011年の東京スイートベイジル(今はなき)でのライヴで歌っています。軽妙ですが、このスウィングテンポにアレンジできる曲ということは、楽曲の構成がしっかりしているということなのでしょう。

 

 


次は王道歌手、ローズマリー・クルーニー。やはりスウィンギーに、でも端正に歌っています。コンコード・レーベルの時代ですから、後年のことでしょうね。

 

 

トニー・ベネットとのデュエットにしびれまくりのダイアナ・クラール。この映像もステキで惹かれます。彼女のライヴは2回観ましたが、颯爽とブロンドをなびかせながらバックミュージシャンを従えてステージにのっしのっしと向かうハンサムウーマンのお姿が忘れられません。

 

 


最後の締めもご本人です。

ビリー・ジョエルの2006年、東京ドームでの公演時の「素顔のままで」。最初の発売から約30年の年月が経過していて、年輪を感じさせてくれます。

 

 

かくしてpopfreakの楽曲若返り作戦は失敗の巻。

 

時代とともに曲の作られ方、歌われ方、カヴァーのされかたも変化して、歌い手と楽曲の緊密度がアップしてしまいました。

 

思えば、ガーシュウィンやコール・ポーターの時代には、歌い手や演奏者の工夫が聴くものに新鮮な感動を与えてくれたものでした。ボクもその感動に引きづられてここまでブログを10年も続けてきたのですが、それでもこれにメゲズに名曲発掘の旅は続けたいと思います。


いい曲があったら、リクエストをくださいね。