自然児を歌った「ネーチャー・ボーイ」が、元祖自然児ともいうべきイーデン・アーベツによって創作されたのですが、なんとYouTubeに本人が登場する1948年の動画を発見。これは冒頭の35秒くらいです。
当時としては超珍しかったであろう長髪!で、その後に繋がっている映像は1959年のこれまた貴重なテレビ番組でのキング・コールとパット・ブーンのデュエット(後半は「ポイズン・アイヴィ」なので最初の2分くらいまで)。
この人が作ったこの曲は、ビックリするほどのカヴァー録音があります。おそらく一生暮らせるくらいの印税が入ったのではないかと推測しますが、95歳まで生きたアーベツがどんな暮らしをしたのかに興味がありますね。憧れの印税生活(笑)かな?
アーベツが自転車を曳いて登場するシーン~キング・コール&パット・ブーンのTV映像
さて「ネーチャー・ボーイ」2回目はソウル系シンガーも取り上げたヴァージョンをまとめました。
まずは「ホワッツ・ゴーイン・オン」のマーヴィン・ゲイの登場です。動画はありませんが、王道でいい歌唱ですね。
次はマイケル・ジャクソンのカヴァー。これも動画ではありませんが、素晴らしい。早いもので来年は亡くなって10年になるマイケル。少年時代のジャクソン5でのエド・サリヴァン・ショウ出演時の「ABC」とか観ると本当に天才少年だったことが分かります。体内リズムがこの頃すでに躍動していますから。
3番目はジョージ・ベンソン。2017年イギリスでのコンサートで大オーケストラバックでギターを弾きながらの歌唱。しばらく見ない間にずいぶん体格が良くなったベンソンさん。光モンのスーツも燦然と輝いています。
ナット・キング・コールの娘でナタリー・コールが、1992年にパサデナ・シヴィック・オーディトリウムで歌った映像です。彼女も亡くなって、この年末で3年になりますね。
ソウル系シンガーではありませんが、1962年にこのカヴァーを発売したボビー・ダーリンはボクのアイドルです。ラテンアレンジで歌っていますが、オフテンポな歌唱が多かった「ネイチャー・ボーイ」のなかでは異色でしょうか。
盲目のシンガーソングライター、ホセ・フェリシアーノが切々と心に響く歌唱を録音しています。動画はありませんが、本人のギター&ストリングス・オーケストラのバックです。
マイブログでは常連のエラ・フィッツジェラルド。ジョー・パスのバックのみですが、素晴らしすぎます。なお歌詞つきですので、カラオケ仕様で歌ってみてください。
日本ではあまり知名度のないソウル・シンガー、キム・サンダースの「ネイチャー・ボーイ」もとても良かった。90年代に世に出た彼女はドイツ在住という珍しいッキャリアで、ここでは同じくドイツ人トランペッターのティル・ブロナーの楽団をバックに歌っています。
最後は歌無しですが、ジョン・コルトレーンの最新アルバム『ロスト・アルバム』から。未発表テイクを集めたレア・アイテムCDです。発売されてから迷いまくっていて、未だ買う決心ができないpopfreakなのです(笑)。
不思議な曲が不思議な人によって創作され、リズムレスの歌唱で人気を博した事例でしょう。「ネイチャー・ボーイ」はそんな揺れる気持ちを歌にした珍しい曲だと改めて思います。