ハープ・アルバートとティファナ・ブラスを取り上げたら、「ビター・スウィート・サンバ」抜きにはできませんね。

 

もちろんこれは、1967年(昭和42年)10月から始まったニッポン放送の人気深夜番組『オールナイトニッポン』のオープニングテーマです。これは現在も続いています。

 

もちろん東京有楽町のニッポン放送をキーステーションに全国のラジオ局にネットされているので、日本全国で聴くことができる基本は生放送番組です。

 

YouTubeを探してみると、いろいろと趣向をこらした映像がありました。番組開始以来の曜日ごと、また一部と二部のDJ担当者一覧が顔写真とともにリストアップされているものをここに選んでみました。深夜放送の歴史博物館みたいです(笑)。


どこかでお世話になったDJ揃いですね。

 

 


さてそのハープ・アルバートの音源を使った動画で、画像があまり鮮明でないものがありました。調べてみると「スコピトーン」の映像でした。これは貴重です。なんでやねん、と思われるかたはこの動画をご覧になってから下の注釈をお読みください。

 

 

ちょうど半年前の10月。映画『男と女』のリマスター版の上映を観る前に、クロード・ルルーシュ監督のインタビュー番組を見ていたときのこと。

 

それによると『男と女』を撮る前に、「スコピトーンの作品を100本ほど撮っていました」と答えていた言葉が気になって調べてみました「スコピトーン」。

 

1960年代にフランスで一時期、飲食店の中に設置されていた“有料テレビで音楽動画を見る機械”とでもいいましょうか。時代はビートルズが映画を制作して楽曲のヒットに貢献したといわれていた頃、フランスにだけ(他の国にはなかったようです)あったサービス。

 

ちょうどジュークボックス(これも説明が必要でしょうね、笑。でも省略します。)の映像版というべきもの。まだビデオが一般普及していなかったわけですから、16ミリフィルムに撮影されたミュージック・ヴィデオならぬミュージック・フィルムが複数曲店内のスコピトーンに装備されていて、客がコインを投げ入れてボタンを押すと映像が再生されるというわけです。なるほど。ですから、少しお色気ムードで作られた映像だったのでしょうか。

 

ルルーシュは、このスコピトーン作品を監督として映画を撮る前に100本も制作していたというのは、驚きでした。後にミュージック・ヴィデオの監督が映画監督になったケースがあった事例と同様です。ミシェル・ゴンドリーやスパイク・ジョーンズのように、クロード・ルルーシュはスコピトーンの映像を下積み時代に撮って、来るべき映画監督への道を模索していたということです。今も見られるのであれば、ルルーシュのスコピトーン作品を観てみたいものです。


大脱線(笑)。本題に戻りたいのですが、「ビター・スウィート・サンバ」のカヴァー映像ってほとんどないのです。日本の吉本チームでお茶を濁したく(苦笑)。例の「明日がある」をカヴァーしたあのお仲間ですね。

 

 

RE:ジャパンで「bittersweet samba~ニッポンの夜明け前~」。これは「オールナイトニッポン35周年記念」に制作されたもので、歌詞は公募、補作詞は藤井青銅によるものです。2002年のことでした。

 


さて、これで終わる訳には参りませんので、探したら世界的はアコーディオン奏者、cobaの演奏が出てきました。なかなかのプロモーション・ヴィデオです。この人は海外で高い評価を得ているかたで、ビヨークがかなり早い時点でツアーに同行を求めたそうです。

 

 

さて、「ビター・スウィート・サンバ」。深夜放送が青春だった時代のかたには、懐かしい1曲でしたね。

 

スコピトーンのことを書けたことが、ボクにとってもいい機会でした。調べた甲斐があったというものです。