またしても「can't help ~ing」構文の曲。これでマイブログも「好きにならずにいられない」「愛のよろこび」と、まさに愛だの恋だのタイトルの大攻勢。古今東西、この種のテーマが多いのですよね。
この曲でボクが大好きだったのは、もちろんレイ・チャールズが歌った1962年の大ヒットです。
作ったのは、カントリー界のスター、ドン・ギブソンです。この人の「オー、ロンサム・ミー」も好きだったのですが、このB面が「愛さずにはいられない」だったとは知りませんでした。作った翌年の1958年のリリースですが、このテレビ出演映像はレイ・チャールズがヒットさせた翌1963年のものだそうです。
さて次はレイ・チャールズのレコード・ヴァージョン。ボクにとっては、やはりこのシングル盤のジャケット写真じゃなきゃこの曲を聴いた気にならないのですね。このレイのナンバーは、ジャケットと一体化してボクの脳内ジュークボックスに格納されているようです(笑)。
レイ・チャールズのライブを観たことがないボクにとって、テレビ出演時は貴重です。1972年だそうですが、映画『ブルース・ブラザーズ』の怪しい楽器店主レイが店で弾くシーンも忘れ難し。
エルヴィス・プレスリーもこの曲を歌っています。復帰した後の派手なパフォーマンスのライヴ映像は、1970年インターナショナルホテルでのもの。編集されたスペシャル・エディションに収録されているそうです。この迫力、この実力、パフォーマンス。いずれをとっても不世出のアーティストでした。1977年のお盆、大文字の送り火で彼岸へ旅立った日のことは忘れ難し。
アメリカン・ハンサム・ガイのリッキー・ネルソンも1962年にレコードを発売しています。カントリー・フレーヴァー溢れる楽しい「愛さずにはいられない」です。
わが国では、「涙くん、さよなら」の日本語ヒットでお馴染みジョニー・ティロットソンも正統派カントリー・ミュージック歌唱で歌っていたのですね。これは知りませんでした。
この曲は、ジャズのビッグバンドでもよく演奏される曲なのです。その出所は、御大ベイシー楽団。1963年の名アルバム『This Time By Basie』に収録されており、学生のビックバンドでは定番にもなっています。このポップなアレンジはクインシー・ジョーンズ。他にもヒット曲網羅のビッグバンド・ファン必携のアルバムです。
歌い上げ系の「愛さずにはいられない」。こんなストレートで素直な歌詞がそのまま歌われるヒット曲が生まれていた時代があったことが、今や驚き。
あの人もこの人も次々と鬼籍に入り、なんだか切ない日曜の夜です。