一発屋という言葉があります。一曲だけ誰でも知っている大ヒットは放ったものの、後はサッパリというアーティストのことを指します。

大ヒット「ヴィーナス」を放ったオランダのグループ、ショッキング・ブルーもそう呼ばれるグループの一つでしょう。1969年に放った「ヴィーナス」は、日本でも大ヒットし、当時はオランダ発のダッチ・サウンドとして話題になりました。

この曲は世界の国でヒットしています。アメリカでも、ビルボードで1970年の年間ベスト33位に堂々入っています。もちろんオランダ産の曲がビルボードの第1位になったもの初めてのこと。

なんといってもヴォーカルのおねえちゃんのお化粧のケバさが堪りませんでした。このお色気路線は、アメリカのナンンシー・シナトラ、超ミニに白いブーツの挑発と甲乙つけ難し(笑)。


このミュージック・ヴィデオを観たのは、数年前のことです。これもYouTube効果でしょうか。




しかしショッキング・ブルーには、次のシングル「悲しき鉄道員」というヒットもあるので、決して一発屋ではないですよね。二発屋?(笑)。


さて名曲は時間・空間を超えて甦ります。1986年にイギリスのバブリーなおねえちゃんグループ、バナナラマがお色気旋風(というほどでもない、笑)でリヴァイヴァルヒットさせています。

バナナラマはイギリスの3人娘。この流れが90年代の「ワナビー」で一世を風靡したスパイス・ガールズにつながったのでは?というのはpopfreakの独断ですが(笑)。




次は珍しいカヴァーです。この軽快なリズムが、わが民謡界に出自をもつ演歌歌手を刺激したのでしょうか。長山洋子が(着物ではなく!)派手なドレス?でテレビで歌っています。ときに2012年です。




このショッキング・ブルー「ヴィーナス」のイントロを聴いて、聴いたことあるとお思いの貴兄へ【番外編】。


そうです。モーニング娘。「Loveマシーン」のリズム・パターン、コード進行は、まったくといっていいほど「ヴィーナス」に酷似しています。ボクは「Loveマシーン」を始めて聴いたときに、「ヴィーナス」のカヴァーかと思ったくらいですから(笑)。




ギターを少し演奏した経験のあるかたには、お分かりだと思います。SUS4⇒MAJ7thというよくありがちなパターンですが、結構気持ちいいコード進行なのですよね。

それにしてもこの映像はスゴイ。また歌詞もスゴイ。ボクが一番関心したのは「社長さんも」というところ。アチャー、キャバクラ歌謡か?と当時思ったものです。(実は、いまだにキャバクラというところに一度も行ったことがないボクが言うのもナンですが、笑)。

20世紀の世紀末を飾る1999年9月9日発売の「Loveマシーン/モーニング娘。」。つんく♂のプロデュース力に感服した一作です。いえ、「ヴィーナス」のパクリなどと、いまさらあげつらうつもりはございません。思えばVR(ヴァーチャル・リアリティ)歌謡とでもいえるでしょう。

ホログラムのようなバックにお嬢さんたちが並んで歌い踊るシーンを観て、その10年前のバブルの時代。ベイエリアのディスコのお立ち台で踊るボディコン娘(笑)がケバ目の扇子をヒラヒラさせている姿を連想した人も多いのでは?(ちなみに、ボクはそういうところも行ったことありませんので、誤解なさらぬよう)


もちろんモー娘。は一発屋ではありません。

ご参考までに、替え唄メドレーでお馴染みの嘉門達夫の「一発屋ブルース」を聴けば、一発屋のイメージが湧くかもしれません。

嘉門達夫「一発屋ブルース」




いかがでしょう。いくつお分かりになりましたか。でも嘉門さんのこの唄も古いナンバーですから、対象となっているのは1975年~1985年くらいでしょうか。

ですから、この「一発屋ブルース」を聴いて、♪この曲、あったあったとお喜びの方は、概ねover 50という世代でしょうか。それ以下のかたがこれを聴いて「知らない曲ばかり」とお怒りになってもpopfreakは責任を負いかねますので、悪しからず。