洋の東西を問わず、「いけない大人の恋」を歌った名曲は数多し。ミセス・ジョーンズとの秘密の関係を歌ったのが、「Me And Mrs. Jones」です。

Me and Mrs.Jones
We got a thing goin' on
We both know that it's wrong
But it's too strong to let it go now

この曲は、ビリー・ポールが1972年に放ったヒット曲です。なにしろ「a thing goin' on」(コトが進行中)なのですから、タダゴトではありません(苦笑)。


作詞・作曲は、当時急成長していたフィラデルフィア・インターナショナル(CBSグループの1つのレーベル)の強力コンビ、ケニー・ギャンブルとレオン・ハフに加えて、キャリー・ギルバートの3人による共作です。

フィリー・インター(略します)は1971年に設立され、MFSB(Mother, Father, Sister and Brother)やスリー・ディグリーズでお馴染みのレーベルですが、特徴はギャンブル=ハフ・コンビによる作品を流麗なストリングスで飾った大人向けのソウル・ミュージック・サウンド。
そのレーベルからは、幾多のヒットを生み出しています。ボクも一時大好きで、家にはこんなLPのセット物(なんと14枚組、写真)がありました。これはレーベル創設から1986年までのコンピLP集です。



レーベ初期の大ヒット曲の一つがこのナンバーです。YouTubeには、ビリー・ポールの当時のMVがありました。なんと!くわえ煙草で撮影された映像は、いかに口パクといえども煙たかったのでは(笑)?


ボクがビリー・ポールで一番好きな歌「ミー・アンド・ミセス・ジョーンズ」です。




その後マイケル・ブーブレも素晴らしいカヴァー録音をしています(アルバム『Call Me Irresponsible』)。これは2010年のライヴ映像です。




黒人グループ、ドラマティックスが、往年の番組『ソウル・トレイン』で歌っている映像です。




こんな内容の歌なので、さすがに女性は歌っていないのではと思いましたが、なんとエイミー・ワインハウスがカヴァーしていました。2007年のワイト島でのフェスにて。ボクはこの人の投げやり歌唱、結構好きなのです。




ブルー・アイド・ソウルの旗手、ダリル・ホールがソロでも歌っています。1994年だそうです。ちょっとマイク・ノイズが気になりますが(笑)。




最後は、この人までカヴァーしていたとはビックリ。マーヴィン・ゲイの「ミー・アンド・ミセス・ジョーンズ」なかなかいいですね。




この原曲の持つゆったり感と気持ちいいリズム・パターンが、大人の恋の味を醸し出しているのでしょうか。聴くと歌詞の内容に反して気持ちが落ち着きます(笑)。


この曲と並ぶ洋楽大人の秘密ソングは、なんといってもホイットニー・ヒューストンの「Saving All My Love For You」でしょうね。

またわが国の歌謡界にこのテの歌は星の数ほどありそうですが、またの機会にでも・・・。