いつもスタンダード・ナンバーや映画音楽の紹介役を自任しているpopfreakとしては珍しいと驚かれるかもしれませんが、結構なロック野郎(笑)なのですよ。

でも好きな音楽のポイントは、いつも“美メロ”です。ビートルズもリマスター盤13枚組を買いなおすほどのマニアですし、主要なロック・アルバムも買っています。レコード買うのが趣味、みたいな(苦笑)。


さて本題。

「天国への階段」(The Stairway to Heaven)は、イギリスのハード・ロック・グループ、レッド・ツェッペリンのアルバム『Ⅳ』(1971年)の4曲目に収録されているロックの名曲中の名曲です。

ファースト・アルバム、セカンド・アルバムの大成功を受けて発表したⅢの失敗が応えたのか、起死回生のⅣのなかで最も評価された超美メロナンバー。

そもそもロック・ナンバーのカヴァーは多くありませんが、最近ネットで観て感動したのがアメリカの女性ハード・ロック・バンド、HEART(ハート)による「天国への階段」のカヴァー演奏でした。

それを視聴する前に、ちょっと長いですがオリジナルを聴いてもらったほうがいいでしょうね。


ツェッペリンのライヴ映像『狂熱のライヴ』(The Song Remains The Same)は、1973年ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンの数公演を中心に収録されたものの、編集が進まず何年もかかってようやく1976年に公開された映像作品です。




お分かりのように、3部構成です。さしずめギターとヴォーカルによるコンチェルトみたいでしょ。


ハート(アンとナンシー・ウィルソン姉妹が中心で、70年代から活動)が演じたのは、2012年の12月にレッド・ツェッペリンのメンバーが受賞したケネディ・センター名誉賞(Kennedy Center Honors/米国の芸術文化に貢献した人物に贈られる賞)の授与式にて。
当日はジョン・ボーナム(John Bonham、ツェッペリンのドラマー。故人)の息子ジェイソン・ボーナム(Jason Bonham)をドラムに迎えた特別編成での演奏で、またパフォーマンスには聖歌隊も参加した素晴らしい演奏です。

オバマ夫妻、ロバート・プラント、ジミー・ページも感動している様子が映像に写されています。この模様は2012年12月26日に米TV局CBSで放送されたそうです。




意外なことに、このロックの名曲はいろいろなカテゴリーのミュージシャンによってカヴァーされています。


【ヒップ・ホップ好きな方にオススメは、メアリー・J・ブライジ】

Mary J Bligeが、ギターのOrianthi(マイケルの映画『This Is It』で注目された女性ギタリスト)とSteve Vai(超絶技巧のギタリスト、映画『クロスロード』でのバトルシーンは必見!)を率いて『アメリカン・アイドル』で歌唱しています。

素晴らしい。ちなみに2010年のアルバム『Stronger With Each Tear』に「胸いっぱいの愛を」も収録しています。




【ビッグバンドの4ビートスウィングで「天国への階段」を歌ってみたい方へ】

なんと、あのパット・ブーン(「砂に書いたラヴ・レター」などでお馴染みのアメリカを代表するシンガー)による「天国への階段」。

なんでも「In a Metal Mood: No More Mr. Nice Guy 」というアルバムでメタルロックの名曲ばかりを収め、1997年に発表したみたいです。

え、あんな健全な若者だったパット・ブーンが、歳をとってから不良なロックに!とビックリです(アルバム・タイトルからして不良宣言、笑)。動画ではありませんが、歌詞が表示されますのでカラオケ仕様でお楽しみいただけます(笑)。




【カントリー・ミュージック好きな方むけ】

一方、ブロンドのドリー・パートンが2002年に行われた『Live & Well Concert Dollywood』で歌っています。リズムがカントリー由来なのは隠せませんね(笑)。




【超絶技巧ギタリストの歌なしヴァージョンを聴いてみたい方へ】

なにがなにしてなんとやら、まるで浪曲の1フレーズを思い出すようなスタンリー・ジョーダンの2台のギターを同時に弾く(タッピング奏法というらしい)奏法に驚かされる「天国への階段」。




ちなみにマイ・コレクションを探してみたら、LPのファースト、セカンド、サード(ジャケットがくるくる回る仕様でした)と「Ⅳ」(これはCDでした)。

昨年だったかな、ジミー・ペイジがプロデュースした過去名盤のハイレゾ音源も発売され、まずは「ファースト」をDL購入して時々聴いています。

それにCDラックにHEARTのアルバムは1990年の『ブリゲード』が1枚だけありました。これを機に、もう一度聴かなきゃ。


この多彩な「天国への階段」を聴くにつけ、“名曲は、カヴァーされてこそ残るもの”との意を強くしました。




  ツェッペリンのマイ・コレクション