フランスが生んだシャンソンに英語詞がついてアメリカでヒットするパターンの代表例の一つがこれ。

邦題は「残されし恋には」として、広くシャンソン・ファンに愛好されてきました。

仏原題は“Il denos amours Que restre-t-il de nos amours?”で、作られたのは前年の1942年にナチス占領下のパリにて。仏題の意味は、“私たちの恋の何が残っている?”。


作ったのは、日本でも大変人気があったシャルル・トレネ(曲はレオ・ショーリアックとの共作)。英語詞はリー・ウィルソンというかたが1955年に書いたものです。


まずは総本家、シャルル・トレネの端正な歌唱です。



この曲は、後の1968年の映画『夜霧の恋人たち』でトレネ歌唱により、広く人気を博したそうです。




最近お気に入りのStacy Kentの歌も、とてもソフィスティケイトされていてス・テ・キです。




仏語で歌うジョアン・ジルベルト。「イパネマの娘」でのクリード・テイラー(プロデューサー)とのやりとりでは、英語はイヤダと突っ張ったのに、フランス語はいいのかな。

それにしてもポルトガル語のように聴こえるのは、ボクの耳鳴りのせい(笑)。




ドラマティックな歌唱で日本でも一時とても人気があったダリダです。




この英語ヴァージョンを1964年にヒットさせたGloria Lynneの歌です。




先日ブルーノートで公演があったChaka Khanも歌っていて、ホントに上手い。この人の「スルー・ザ・ファイア」などを聴くと、歌唱力があることが分かりますね。




最後は、マイ・アイドルのマイケル・ブーブレ。YouTubeにはアップされているのですが、この初期のローカル・アルバムを手に入れたいのですが、どこをどう探しても見当たりません。輸入盤屋さんで仕入れてくれませんかねぇ。




その他、「I Wish You Love」としてディーン・マーティン、フランク・シナトラ、クリス・コナー、ポール・アンカなど
多くの英語ヴァージョンが残されています。

すでにポピュラー・ソングのスタンダード曲化しているようです。