古くからTVCMで使われてきたミュージカル『コーラス・ライン』の「ワン」。ビール!のCMでお馴染みですね。

緒方拳さん出演の1991年「キリン一番搾り」で使われています。なお緒方さんはこのコマーシャルの初代キャラクターだそうです。

このCMにおける居酒屋シチュエーションと、『コーラスライン』出自の「ワン」の違和感が払しょくできませんが(笑)。





前回のテーマ「シーズンズ・オブ・ラヴ」を記事にした勢いで「ワン」行きます!と宣言したことを、その後秘かに後悔しています。やはり意外とカヴァー盤が少ないのです。あそこまで大コーラスで歌われては、ソロ歌手の出番がないのかもしれませんね。

とはいえ、気を取り直して映画のシーンで鑑賞いたしましょう。タイトルが「ワン」なのに、歌も踊りも団体戦とはこれいかに(^_^;)と、悔し紛れ。




このミュージカルの音楽を担当したのは、2年前に亡くなったマーヴィン・ハムリッシュでした。トニー賞での映像です。




ということで、いつものスタイルを変更させていただくとして(複数の歌手による聴き比べは無理でした、トホホ)、ハムリッシュさんと名歌手の組合わせ映像をいくつか観ていただいて、亡きハムリッシュさんを偲んでいただきたいと思います。


(1)最初は、『コーラス・ライン』の中の1曲「What I Did For Love」。

「LET IT GO」で世界的な脚光を浴びたイディーナ・メンゼルとマーヴィン・ハムリッシュとがホワイトハウスで行ったパフォーマンスの動画です(時期は不明です)。力強い歌唱に感服です。

「What I Did For Love」。





(2)次は、かのサミー・デヴィスJr.とマーヴィン・ハムリッシュ。1978年のアカデミー賞授賞式の映像だそうです。


曲は、 "Come Light The Candles"(別題"Let's Light The Candles") 。アカデミー賞50周年記念として企画された多くの故人たちへのトリビュートです。サミーの歌の上手さに感服します。




(3)ジョニー・カーソンのテレビ番組で、Bing Crosby, Ray Bolger and Marvin Hamlischが出演して、近々始まるテレビ映画("The Entertainer" starring Jack Lemmon and Ray Bolger)の宣伝しています(音楽はハムリッシュが担当)。
歌は"The Only Way to Go."ですが、晩年とはいえビング・クロスビーのハンサムぶりには感服です。




(4)さてハムリッシュの極め付け名曲「追憶」(1973年)を映画主演と歌唱によって共に大ヒットさせたBarbra Streisand。

映画関係者の追悼式典での中でM.ハムリッシュのコーナーの歌唱です。永くバーバラを敬愛してきたpopfreakとしては、お喉の具合が少々気になるところですが、そういうことを超越する絶唱だと思います。これまた敬服の一言です。

この曲の原題は「The Way We Were」、マーヴィン・ハムリッシュが作曲した中でも極め付けの1曲で、作詞はアラン&マリリン・バーグマン夫妻によるもの。

ジョージ・クルーニーが紹介役で登場。故人をたたえた最後に登場しますが、この「追憶」の絶唱は4:10の箇所からです。お時間のない方は飛ばしてください(笑)。




「ワン」の作曲者、マーヴィン・ハムリッシュにゆかりのイディーナ・メンゼル、サミー・デヴィスJr.、ビング・クロスビー、バーバラ・ストレイザンド。

なんと個性的で自己表現にたけた歌い手が多いことか、改めて感服します。今日は「感服つかまつりました」の連発です(笑)。


日本にも歌の上手い(自己表現に優れた)歌い手がおられるはずなのに、テレビの音楽番組では陽が当たりにくいようですね。これじゃますますTVから遠ざかってしまいますよね。うーむ。