前回の「Don't Smoke In Bed」と同じ曲では?と誤解されいるフシがあるのが、「ベッドで煙草を吸わないで」。


作詞:岩谷時子、作曲:いずみたく、ヒットしたのは1966年(昭和41年)。姐御風の沢たまきに「♪吸わないで」とソフトに訴えられる相手の男って、どんな人???と限りなく想像力を働かせたのですがボクには分かりませんでした。


沢たまき 1966年にヒットしたので、おそらく「夜のヒットスタジオ」の映像だと思いますが、大人の女性の魅力溢れる歌唱です。




この歌に後に触発されたわけではありませんが(苦笑)、ボクは20歳代にはヘヴィー・スモーカーでした。主に吸っていたのはショート・ホープ、その後缶入りピース(通称:缶ピー)、知る人ぞ知るフジ、とひたすらニコチン度の高い紙巻タバコを一日多い日で60本。まさにチェーン・スモーカーでした。

また紙巻だけでは飽き足らず、若気の至りとはいえパイプにも手を出す始末。さすがに職場では吸えませんでしたが、禁煙した後も「パイプだけは老後の楽しみに」といまも捨てずに持っています。

今も捨てられない3本のマイ・パイプ(笑)



久しぶりに残しておいた3本のパイプを出してみました。カーボンがほどよく付いていい具合(笑)。でも缶を開けた瞬間のタバコ臭さにウンザリして、老後の楽しみにとっておいたパイプだけども生涯火をつけることはないかな?と。


さて、沢姐御が後年、テレビ歌番組で歌った「ベッドで煙草を吸わないで」。島田神介の司会ですから、NTV「紅白歌のベストテン」1987~9年くらいでしょうか? ただしリンクのみです。

⇒沢たまき、テレビ歌番組出演時の「ベッドで煙草を吸わないで」リンク

その後、沢たまきは国会議員となり、今から10年ほど前に亡くなりました。

この曲は多くの歌謡曲歌手がカヴァーしています。


まずは西田佐知子です。この人の投げやりな歌唱は、一時「アカシアの雨がやむとき」で一世を風靡しましたね。彼女は関口さんと結婚してから、一切メディアには登場しなくなりました。




次は、あまりこの歌のイメージが似つかわしくない(単なる推測です、苦笑)園まりで。清純派だけに、ベッド、煙草、睦言には似つかわしくないですね。

この人の「夢は夜ひらく」は、藤圭子より前に発売されていますが、こちらも清純歌唱で大人の女性の深淵とは別世界のようです。





最後は、デュエットソングに加工された歌ヴァージョン。

ちあきなおみと石原裕次郎が、それぞれ別々に録音したカヴァーをデュエットに編集したものではないかと思います。共にテイチクレコード所属なので、デュエット録音は不可能ではないと思いますが、キーが同じというのも不思議といえば・・・。謎です。





さて2回連続の「寝たばこ禁止歌」、いかがだったでしょうか。


元の外国曲は、「Don't Smoke In Bed」で命令形。つまり「吸うな」が正しいハズですが、邦題は「良くないわ」。

方や、いずみ=岩谷の黄金コンビによる「吸わないで」。それを男勝りな沢たまきが歌ってヒットさせたところが興味深いと思うのは、popfreakの妄想癖ゆえでしょうか。

♪私を好きなら、火を消して~が二行目ですが、本当はタバコなんか吸ってないで♪私に火を灯けて~とドアーズを思わせるところにボクは飛んでいってしまいます(笑)。


思えば最近、大人の歌い手たちはいったい何処へいってしまったのでしょうか。想像力のかけらもない歌、直線的な歌詞が今の時代の音楽。プロの作詞家が不在となって久しいですね。

本当に味気ない。やはりパイプでも吸って一人妄想に耽ろうかという気分です。