いきなりですが、下戸のボクは甘党です。音楽もまた、スウィートなメロディが大好き。ですから、人間が大甘(汗)なのも止むを得ません(笑)。


極上のアメリカン・スウィーツの決定版みたいな曲が、本日の「アイル・ネヴァー・スマイル・アゲイン」。

1939年にカナダのルース・ロウという女性が、夫の死を悼んで作詞・作曲したナンバーだそうです。最初にヒットしたのはシナトラがトミー・ドーシー楽団と録音したレコードで、1940年です。

そのオリジナル盤は最後にお聴きいただくとして、最初はテレビ番組でコーラス・グループのハイローズと共演した素晴らしい「I'll Never Smile Again」。


シナトラとハイローズ



ハイローズは、解散後にシンガーズ・アンリミテッドを組んで活躍するジーン・ピュアリングがいたことでも知られるクローズド・ハーモニーが持ち味のコーラス・グループです。ボクは大好きで彼らのアルバムを4~5枚集めたこともありました。


次は、シナトラとハイローズの会話のやりとりにでてくるジョ・スタッフォードです。




やはり最初のヒットのテンポやアレンジが、後のカヴァー録音に大きな影響を与えるものですね。

ところで次は貴重なマイケル・ブーブレのカナダ時代のアルバム収録曲から。ギターのみをバックにしっとり歌っています。2002年のローカルCDなので、アマゾンにもどこにも出てきません。なんとか手に入れたいと思っているのですが・・・。


マイケル・ブーブレ、ワーナーミュージックでのデビューアルバムの前年2002年に発売されたカナダ盤です。




驚いたことに、この曲「I'll Never Smile Again」は、ものすごい数のカヴァー録音があります。コーラス・グループも取り上げていますが、
黒人ジャズ・グループ、インクスポッツです。テンポ感がステキ。




次は、ハイローズがクローズド・ハーモニーを売りにしていたのとは逆に、オープン・ハーモニーが一世風靡したフォー・フレッシュメン。ウィズ・ファイヴ・トロンボーンは、とりわけ愛聴盤です。

フォー・フレッシュメン、1959年の録音です。




ビリー・ホリデイもこの曲を歌っています。最初の一行から“ビリー節”聴かせまくりです。




この曲は、歌ではなく、インスト盤も多いのが特徴で、デイヴ・ブルーベック・クァルテットも演奏しています。ポール・デスモンド(as)をフィーチュアした1953年盤から。




ブルーベックとは対極的なエロール・ガーナーのリリカルなピアノ・プレイが光ります。「ミスティ」の作曲家としてもつとに有名なガーナー、1954年の録音だそうです。




名トラックが多すぎて、捨てるに忍びないのが多いですね。ザ・プラターズのトニー・ウィリアムズの美声にもしびれます。




さて本命オリジナル・ヒット盤がこれだそうです。

シナトラ+ドーシー楽団




桜が咲き始め、和菓子の美味しい季節です。最近はパティシェ・ブームで、ケーキ屋さん大流行だそうですが、お抹茶に和菓子で楽しむ「I'll Never Smile Again」こそ、この季節にふさわしけれ。

なんと今日は10ヴァージョンのご披露となってしまいました。

甘いものの取り過ぎに、お気を付けください(笑)。

追伸・肝心の歌詞の大意を書き忘れました。

この時代の録音は、誰でも聴き取れるくらい平易な歌詞で歌われています。春の宵に意味を噛みしめながらお聴きいただければ幸いです。

なぜ「私が再び微笑まないのか」の理由がお分かりいただけるハズなので・・・。