師走になってコート姿のかたを見かけることが多くなりました。

今日の1曲は、「コートにすみれを」(原題:Violets for your furs)。邦題は「コートにすみれの花を」と表記されることもあるそうです。歌詞の内容は、ボクは君の毛皮のコートにスミレをプレゼントする、ということですが、なぜ原詞が「coat」ではなく「furs」なのかが、今もナゾです(笑)。

この曲は、ボクの大好きなマット・デニスの作曲で、作詞はトム・アディア。1941年(といえば、日米開戦の年ですね)に出版されました。ピアニスト兼歌手でもあるマット・デニスは、当時トミー・ドーシー楽団のアレンジャーだったそうです。
マットはドーシー楽団にこの曲を提供し、当時の専属シンガー、フランク・シナトラのレコードでヒットしたそうですが、日本のジャズ・ファンにはこの方の演奏のほうがおなじみかも?

$♪blowin' in the music このアルバムに収録されています

ジョン・コルトレーンの1957年プレステッジのアルバムより。

Personnel: John Coltrane (tenor sax), Red Garland (piano), Paul Chambers (bass), Albert Heath (drums)





さて次はビッグ・バンド、といってもウェストコースト派の代表的アレンジャー、マーティ・ペイチにかかると、どの曲も軽快なサウンドに生まれ変わります。なおマーティ・ペイチは、TOTOのデヴィッド・ペイチのお父さんです。


マーティ・ペイチ・オーケストラfeat.アート・ペッパー




さて歌ものではずせないのがこの人。コルトレーンとの共演盤が多くのファンを得、また今の時代も聴かれ続けていますが、そのハートマンがコルトレーンを偲んだアルバムに収録されているそうですが、ボクは持っていません。ハートマン・コレクターとしては、なんとしても探さなければいけません(笑)。

ジョニー・ハートマン




で、オリジナル本命盤のフランク・シナトラです。




最後には作曲者ご自身のライヴ・アルバムからのご紹介。このアルバムは本当にボクの愛聴盤です。

$♪blowin' in the music マット・デニス/Plays and sings

マット・デニス Plays and sings



シンガーとしては、決して上手い!というタイプでがありませんが、マットの軽妙で切ない歌唱は他にはあまり類をみません。

このライヴ盤に収録されている「エンジェル・アイズ」(マット・デニス作曲)をマットはとても切なく切なく表現しています。CDにもなっているそうですから、ぜひお薦めしたいアルバムです。

もっとも、師走の慌ただしいモードには馴染みません。とてもノンビリしていて浮世離れしていますので、その点はご注意のほどを(笑)。