少し前のことです。サンフランシスコへ行ったことがある友人から、街や電車やステキなホテルのことを聞きました。

ボクにとっては、夢見るだけの想像の街です。最初の記憶はトニー・ベネットが歌った「霧の~」、次にスティーヴ・マックイーンの映画『ブリット』のカーチェース、また自由の象徴としてのハイト・アシュベリーのヒッピー文化、フラワームーヴメントを歌にしたスコット・マッケンジーの「花の~」、そうそうライヴが賑わったフィルモアもあったとか。

ロスアンジェルスには行ったことがありますが、ボクにとってサンフランシスコは永遠の憧れの聖地かもしれません。


本日は、とりわけ古いフォークソングに惹かれてサンフランシスコへのツアーです。


最初は、ピーター・ポール&マリー。冒頭ピーターさんがこの曲を作ってうたった“ワン・マン・バンド”ジェシー・フラーのことを少し話してから、3人の見事なハーモニーを聴かせてくれます。




ところで、この曲の著作者ジェシー・フラーの登場。ローン・キャット・フラーと呼ばれる黒人フォーク歌手で、不思議なマウス・ハープ(?)や機材を用いて歌っています。

この曲は、1958年に出版されたそうです。ボクも初めて見ました。多彩ですね。




なるほど、ワン・マン・バンドの意味が分かりました。50年代に黒人のフォーク歌手って立場、いろいろあったんだろうなと思いますが、意外に明るい人みたいですね。ジェシー・フラーさん。

この曲の軽快なテンポに乗って、名人のカヴァーがたくさんあります。

まずはエリック・クラプトンで。これはMTVアンプラグドの頃ではないか、と思います。あの「レイラ」アコースティック・ヴァージョンのリズム感、よかったですね。デレク・アンド・ドミノスとは趣が違っていました。


ちなみにクラプトンほかメンバーがマウス・ハープを使っているのは、ジェシーへのオマージュでしょうか?ウォッシュ・ボードも使って楽しい演奏です。




さて、次はウィーヴァーズ。かつてピート・シーガーも在籍していたグループですが、資料によればピートは1957年に退団したそうですから、この曲ができた58年には不在のはず。ところがYouTubeの静止画ジャケットの真ん中にいるのは、どうやらピートみたいです。うーん、わかりませが、ピート・シガーに免じてお聴きいただければ・・。




さてさて【未確認ヴァージョン】が2つ。もしご存じだったらおしえてください。

最初は、ジョン・レノン(だそうです)。アルバム『イマジン』録音中の非公式テイクだそうです・・・




未確認第2番は、ジャニス・ジョプリン。これはビッグ・ブラザー以前ならありえますね。素直な歌声です。




サンフランシスコ湾ツアー、いかがでしょう。そうそう、ゴールデン・ゲイト・クァルテットというコーラス・グループも大好きでした。

金門橋を夢みながら、今度は「霧のサンフランシスコ」でも聴いてみようという気分になりました。


余談ですが、当時発売されたトニー・ベネットのシングル盤の邦題だけが「霧の~」で、後の歌手のものはすべて「想い出の~」となっていました。ゆえにトニー・ベネットのコンピCDを買ってもソニー・レコードはいまでも「霧の~」の邦題を徹底してつけていますね。

そんなことに気づくのはよほどのオタクでしょうが(苦笑)。