30年代のダンス映画は、1935年『トップハット』におけるフレッド・アステア=ジンジャー・ロジャーズのコンビの登場で総仕上げとなったそうです。

なともエレガントで流れるようなダンス。そして甘い歌声にキュートな歌詞。

とりわけ冒頭の;

♪Heaven, I'm in heaven
And my heart beats so that I can hardly speak
And I seem to find the happiness I seek
When we're out together dancing cheek to cheek


この天にも昇る気持ちが、舞い上がる(上昇する最初の2行の)メロディに込められているようで、アーヴィング・バーリン(作詞・作曲)のスゴサを思い知らされます。

幸せな時代、幸せな人々の幸せな気持ちが伝わってきますね。

アステア、ロジャーズのゴールデン・コンビの『トップ・ハット』




なおアーヴィング・バーリンは、この季節に欠かせない名曲「ホワイト・クリスマス」を作詞・作曲した人。ほかにも「アレクサンダーズ・ラグタイム・バンド」もこの人の代表作です。


さて数ある「チーク・トゥ・チーク」の中から次に選んだのは、若手ジャズ・シンガー、ジェーン・モンハイト。

ボクは結構好きな歌手です。凝ったリズム・アレンジがいいですね。





次は、この二人が♪ダンス・トゥ・チーク・トゥ・チーク~と歌って踊っている様子を
想像するだにチャーミングなサッチモとエラで。





一説によると、エラさんは人づきあいが苦手で結婚にも恵まれなかっただけでなく、晩年は糖尿病による視力障害に加えて足の病も。

歌だけが生きがいのような人だったそうです。いつだったか大阪城ホールでエラさんのコンサートを観たことを昨日のように思い出します。

3番目は、あまり「チーク・トゥ・チーク」的なハッピーな歌が似合わないというのがパブリック・イメージのビリー・ホリデイ。

さすがに独自の表現でバーリンの歌を解釈・表現しています。

ビリー・ホリディ




最後は楽しい時代の楽しいコーラス隊、ボスウェル・シスターズで。




【余談ながら・・】

「チーク・トゥ・チーク」は、ショパンの「英雄ポロネーズ」にヒントを得ているとの説があります。

いつかマイ・ブログでご紹介したように、ペリー・コモが歌った「時の終わりまで(原題:Till The End Of Time)」も同じ「英雄ポロネーズ」のアダプテーション

名曲はなんども美味しいものなのでしょうね。あるいは美メロには人の心を打つ隠れた黄金法則があるのでしょうか。


どの曲もいい曲でボクは大好きです。