Stella By Starlight・・・

この美しいタイトルを聞いただけで、心なごむ人が多いと思います。

またこの曲の名演・名唱は数知れず。最初にマイルスのあの64年の演奏を思い出す人にも、ビル・エヴァンスの静謐なピアノを思う人にも共通しているのは、この美しいメロディ・ラインが最初に心に浮かぶからでしょうか。

ボクは、この名曲のインスト名演奏のトップにこの人を選びました。

ビル・エヴァンス



なんども繰り返して申し訳ないのですが、ボクはロンドンの“ロニー・スコッツ”で観たビル・エヴァンスのライヴ、鍵盤を食い入るような猫背姿が忘れることができません。おそらくこれからもビルの演奏を聴くたびに、ボクはあの時のことを思い出すことでしょう。

次は繊細なトランペットが身上のチェット・ベイカー。歌モノがとりわけ女性の琴線をくすぐるミュージシャンですが、本業のトランペットの演奏のファンも多いようです。ジャンキーでボロボロになった時に制作された自伝的映画『LET'S GET LOST』のシワシワな表情を思い出します。ボクにはいつまでもチェットの悲しいイメージも払拭することができません。

チェット・ベイカー(これは1987年のライブ・イン・トーキョーだそうです)



さてさて「星影のステラ」の本命盤といえば、アルバム『マイ・ファニー・ヴァレンタイン』に収録された帝王マイルス・デヴィスのライヴであることに異論はありません。このスウィートな名曲を自分流儀のシャープな演奏スタイルで表現するマイルスこそ、ジャズマンシップの代表格でしょう。

マイルス 10分ほどの長い演奏ですが。




最後を選ぶのに苦労しましたが、やはりキース・ジャレットで。

ライヴ映像で見るキースには、音楽に乗り移る魂のようなものを感じます。

演奏するたびにアッチの世界とコッチの世界を行き来するキース自身も大変でしょうね、と妙に同情したくなります。




いかがでしょう。じつはあまりに多くの録音や演奏が残されている「星影のステラ」を選ぶのが気が滅入ってなかなか手つかずでおりましたところ、マイ・ブログの数少ない(笑)読者のおひとりから思いもかけずリクエストをいただきましたので、意を決してセレクトしたジャズ編

あの人が抜けているとか、もっと他のヴァージョンを選んでほしいというご希望はおありでしょうが、ボクなりの自信をもって1番から4番を選びました。

次回の二回目のラウンドは、歌モノです。歌の由来などもそのときまでとっておきます。

憂鬱な6月の日曜の夜、星もでていませんがわがイメージのステラさんを思い浮かべて・・・。