「ダンシング・イン・ザ・ダーク」という1930年代の名曲を聴くと思いだす映画が『ダンサー・イン・ザ・ダーク』です。
2000年の第53回カンヌ国際映画祭では最高賞であるパルム・ドールを受賞し、またビョークは映画初出演にして主演女優賞を獲得したことでも話題になりました。
しかしながら、ボクにとってこの映画ほど“つらい”映画はありませんでした。ボクはこれも映画館で観たのですが、全体の1/3ほどスクリーンを観ていません。
というより、観るにしのびなかったのです。この映画をご覧になったみなさんは、どうだったのでしょうか?
なおご覧になっていないかたに。以下少しネタバレを含みます。制作からすでに10年が経ちましたので、ご容赦願います。
まずは予告編
映画のタイトルが示すように、主人公はミュージカル・スターを夢見る一児の母で、視力が衰えるという難病を患っています。
その「セルマーの歌」
劇中、主人公がミュージカル『サウンド・オブ・ミュージック』を演じるシーンがありますが、決して明るい晴れやかな気分になる歌唱ではありません。
もしこの映画をリチャード・ロジャーズやオスカー・ハマースタインⅡ世が観たら、きっと“ボクたちの曲を使わないでほしい”と言ったに違いありません。それほど暗い気分にさせてくれます。
極めつけは、ラストの処刑シーン。なにもここまでしなくてもいいじゃないか、とボクは憤りすら覚えました。
果たしてビヨークは、この映画を最後にもう映画出演はしないと宣言しました。ボクもそれを聞いて深く同意しました。
その後ボクはこの映画の根深い問題は、監督と主演俳優の国籍に由来しているのではないか、と考えるようになりました。
監督のラース・フォン・トリアーは、デンマーク人です。一方のビヨークは、アイスランドの生まれ育ちです。
ご存じの方も多いと思いますが、かつてアイスランドはデンマークの植民地だった時代がありました。
この宗主国と植民地の関係を考えると、この映画のつらい結末も、またビヨークの「もう映画にはでない」という決意も、その事実が影を落としているのではないかとさえ思えます。
しかし事実がどうであれ、ボクにとってはっきりししていることは、この映画をきっかけに映画館に足を運ぶペースがガックリと落ちたことです。
もしかしてトラウマになったのかも知れません。
お金を払って、時間を使って、そして暗澹たる気分で映画館を出ることにほとほとイヤ気がさしたのでした。
ビヨークがもう映画に出ないと宣言したように、ボクももう映画館で映画を観るのは辞めようとすら思いました。
それにグチついでにもう一つ。この映画におけるビヨークの演技は、どう考えても監督の力量によるものではないことです。
ビヨークは多くのすぐれたミュージック・ビデオを作っています。ほとんどの作品の監督はビヨーク自身が選んでおり、ミシェル・ゴンドリーやスパイク・ジョーンズ(popfreak注:冗談音楽の王者の名を借りたといわれる映画監督)らの才能を世に知らしめたのはビヨークの功績であるとすらいわれています。
次のミュージック・ビデオを観ていただけば、ビヨークの自己表現にたけた天賦の才能に驚嘆されることでしょう。
Bjork/Big Time Senseality (Derected by Stepane Sednaoui)
シュガー・キューブスのころからのビヨーク好きのボクとしては、痛い辛い映画でした。
それにボクの映画愛好家としての人生の指針をへし折ってくれた記念すべき映画として『ダンサー・イン・ザ・ダーク』を忘れることはありません。
ボクとしては珍しい“ぼやきブログネタ”になってしまいました。ウーム、反省。
2000年の第53回カンヌ国際映画祭では最高賞であるパルム・ドールを受賞し、またビョークは映画初出演にして主演女優賞を獲得したことでも話題になりました。
しかしながら、ボクにとってこの映画ほど“つらい”映画はありませんでした。ボクはこれも映画館で観たのですが、全体の1/3ほどスクリーンを観ていません。
というより、観るにしのびなかったのです。この映画をご覧になったみなさんは、どうだったのでしょうか?
なおご覧になっていないかたに。以下少しネタバレを含みます。制作からすでに10年が経ちましたので、ご容赦願います。
まずは予告編
映画のタイトルが示すように、主人公はミュージカル・スターを夢見る一児の母で、視力が衰えるという難病を患っています。
その「セルマーの歌」
劇中、主人公がミュージカル『サウンド・オブ・ミュージック』を演じるシーンがありますが、決して明るい晴れやかな気分になる歌唱ではありません。
もしこの映画をリチャード・ロジャーズやオスカー・ハマースタインⅡ世が観たら、きっと“ボクたちの曲を使わないでほしい”と言ったに違いありません。それほど暗い気分にさせてくれます。
極めつけは、ラストの処刑シーン。なにもここまでしなくてもいいじゃないか、とボクは憤りすら覚えました。
果たしてビヨークは、この映画を最後にもう映画出演はしないと宣言しました。ボクもそれを聞いて深く同意しました。
その後ボクはこの映画の根深い問題は、監督と主演俳優の国籍に由来しているのではないか、と考えるようになりました。
監督のラース・フォン・トリアーは、デンマーク人です。一方のビヨークは、アイスランドの生まれ育ちです。
ご存じの方も多いと思いますが、かつてアイスランドはデンマークの植民地だった時代がありました。
この宗主国と植民地の関係を考えると、この映画のつらい結末も、またビヨークの「もう映画にはでない」という決意も、その事実が影を落としているのではないかとさえ思えます。
しかし事実がどうであれ、ボクにとってはっきりししていることは、この映画をきっかけに映画館に足を運ぶペースがガックリと落ちたことです。
もしかしてトラウマになったのかも知れません。
お金を払って、時間を使って、そして暗澹たる気分で映画館を出ることにほとほとイヤ気がさしたのでした。
ビヨークがもう映画に出ないと宣言したように、ボクももう映画館で映画を観るのは辞めようとすら思いました。
それにグチついでにもう一つ。この映画におけるビヨークの演技は、どう考えても監督の力量によるものではないことです。
ビヨークは多くのすぐれたミュージック・ビデオを作っています。ほとんどの作品の監督はビヨーク自身が選んでおり、ミシェル・ゴンドリーやスパイク・ジョーンズ(popfreak注:冗談音楽の王者の名を借りたといわれる映画監督)らの才能を世に知らしめたのはビヨークの功績であるとすらいわれています。
次のミュージック・ビデオを観ていただけば、ビヨークの自己表現にたけた天賦の才能に驚嘆されることでしょう。
Bjork/Big Time Senseality (Derected by Stepane Sednaoui)
シュガー・キューブスのころからのビヨーク好きのボクとしては、痛い辛い映画でした。
それにボクの映画愛好家としての人生の指針をへし折ってくれた記念すべき映画として『ダンサー・イン・ザ・ダーク』を忘れることはありません。
ボクとしては珍しい“ぼやきブログネタ”になってしまいました。ウーム、反省。