1972年、ハードロックのイギリスから突如現れた新星による、古いようで新しい、悲しくも心なごむ歌の世界に心惹かれました。

Gilbert O'Sullivan - Alone Again (Naturally)(original version)正式動画はリンクのみ
⇒リンクのみです。

リンクはメンドウだという方用↓のテレビ出演時の別ヴァージョンです。


 ⇒リンク

ボクはシングル盤を買って、歌詞カードを見ながら一生懸命歌詞を覚えました。

この曲のかもし出す不思議なイメージは、それまでの英語歌にはない'歌詞がギッシリつまっている’ためかな、そんな気がしました。

歌いだしは;
In a little while from now
If I'm not feeling any less sour
I promise myself ・・・

この多い言葉の並びを日本語の歌詞に乗せたのが、なかにし礼。
ポップ・シンガーの九重祐三子が、せわしなく歌っています。

なんといっても超訳は冒頭の「ワタシトシタコトガ・・」という9語。いまだに語り継がれています。

九重祐三子/また一人(アローン・アゲイン)動画じゃありませんが。この歌いだしをご鑑賞あれ。


 ⇒リンク


ほかにも

「よせっ!」といって・・
つーまらなくて・・
人間なんて嫌いになっちゃって・・
など、聴かせどころと超訳の連発です。

もちろん草刈正雄や金井克子のカバーも別の日本語歌詞でありますが、なかにし礼・訳のインパクトは他の追随を許しません。

さてギルバート・オサリヴァン

$♪blowin' in the music初期の写真


その後「クレア」というヒットもありますが、その後あまり名前を聞かなくなっちゃって(笑)語られることも少なくなくなりましたが、名前の由来はイギリス人の誇りを感じさせるものがあります。

本名はレイモンド・オサリヴァンですが、それを「ギルバート」としたのは19世紀のイギリスのオペレッタ作家コンピ、ウィリアム・S・ギルバートとアーサー・サリヴァンにあやかったためだそうです。それを自分の「芸名」としたのです。

ところで、そのギルバートとサリヴァンのコンビによる代表的な作品は『戦艦ピナフォア』や日本を題材にした『ミカド』などがあります。
$♪blowin' in the music ギルバートとサリヴァンによる『戦艦ピナフォア』のCDジャケット

勝手な推測ですが、アメリカの代表的エンタテインメントであるミュージカルも、元はといえばオペレッタの流れを汲むものといわれていることから、ミュージカルの原型を作ったイギリス作家チームにあやかって英国人のプライドを世に示したかったのではないかと思います。

果たしてこの直後から、アンドリュー・ロイド・ウェーバーたちによるロンドン・オペラがブロードウェイを席巻することになったのですから、さしずめギルバート・オサリヴァンはその露払いみたいな役割を果たしたと(こじつけですが)言い切ってしまいましょう!

この写真に見るギルバート・オサリヴァンの風貌も、ちょっと変わったレトロ感がありますねぇ。
でも名曲はいつまでも心に残りますね。